過去ログ - サーシャ「天使になるらしいです」
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2011/02/12(土) 20:27:25.50 ID:vQio53aR0
 ヴィリアン「お姉様、ここは私にお任せください」 
  
 キャーリサ「やめろヴィリアン。相手は言葉の通じない猛獣だ。お前には危険過ぎる」 
  
 ヴィリアン「いいえお姉さま。例え言葉が通じなくとも、心で通じ合う事が出来るはずです」 
59:1[saga]
2011/02/12(土) 20:29:33.58 ID:vQio53aR0
  
 ヴィリアン「ッ…」 
  
 キャーリサ「ヴィリアン!!」 
  
60:1[saga]
2011/02/12(土) 20:31:10.40 ID:vQio53aR0
  
 ヴィリアン「待ってください」 
  
  
 ナイフを取り出した私の手を、ヴィリアンは両手で包む様に握ってきた。 
61:1[saga]
2011/02/12(土) 20:32:35.04 ID:vQio53aR0
  
 ヴィリアン「あなたは騎士ではなく、私の御友人になるべきです。違いますか?」 
  
 サーシャ「姫君、第一の質問ですが、私の様な愚者でも構わないのですか?」 
  
62:1[saga]
2011/02/12(土) 20:35:35.77 ID:vQio53aR0
  
 オルソラ「では、ちゃんと所蔵数が合っているか? それを確認するのでございます。 
      魔道書は御存知の通り、大変危険な書物でございますから、けして開いて閲覧しない様にしてくださいませ」 
  
 サーシャ&ヴィリアン&キャーリサ「了解」 
63:1[saga]
2011/02/12(土) 20:38:16.71 ID:vQio53aR0
  
 そんなこんなで作業は続いた。かれこれもう二時間は経過しただろうか。 
  
  
 サーシャ「アブラメリンの秘奥義……この棚は、悪魔学の魔道書ですね」 
64:1[saga]
2011/02/12(土) 20:41:21.19 ID:vQio53aR0
  
 明けの明星、つまり金星。旧約聖書では、暁の輝ける子、或いは光を掲げる者であるルシフェルを指す言葉だ。 
  
 しかし、ルシフェルは天使であり、ルシファーは悪魔。 
 同一の存在とは言え、まだ天使だった頃のルシファーを名を、悪魔学の書で使われているというのはどうなのだろう? 
65:1[saga]
2011/02/12(土) 20:43:21.11 ID:vQio53aR0
  
 サーシャ「第一の質問ですが、まさか悪魔学に手を出そうとしたとか、そんな事はないですよね?」 
  
  
 いや、言葉が過ぎた。こんな聖女の様な御方に向って、私は何と失礼な事を言っているのか。 
66:1[saga]
2011/02/12(土) 20:46:27.04 ID:vQio53aR0
  
 ヴィリアン「ええ。そして、原初の光は火です。ルシフェルは人間に火を与え、文明が生まれたという話を聞いた事があります。 
       ギリシャ神話のプロメテウスによく似ていますよね?」 
  
 サーシャ「そう言えば、ミカエルとルシフェルは双子だと言う説もありますね。 
67:1[saga]
2011/02/12(土) 20:49:18.29 ID:vQio53aR0
  
 それから、私はひたすら魔道書を点検する作業を続けた。 
  
 一冊一冊、丁寧にタイトルを確認しながら。まるで、何かを必死で忘れようとするために。 
  
68:1[saga]
2011/02/12(土) 20:50:32.32 ID:vQio53aR0
  
 グラつく脚立。私は体のバランス感覚を維持し、華麗に、空中で無駄に一回転しながら床に着地した。 
 今なら金メダルも夢ではない。 
  
 ちなみに危ないので、良い子と良い大人は絶対に真似しないでください。 
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