過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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17: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:31:04.49 ID:4SRjOM3Xo

今年は暖冬の影響からか、桜の開花も例年に比べてかなり早かった。
そうは言っても、まだ朝夕冷え込むこの時期では、ここの桜も三分咲きがいいところだ。
この様子じゃ満開になるのは、月末近くか四月早々だろう。
それでも今日は朝から天候にも恵まれ、春の穏やか日差しに誘われたのか、
以下略



18: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:31:45.68 ID:4SRjOM3Xo

あやせから弁当だのレジャーシートだのが入った手提げ袋を受け取り、
俺たちは桜並木の続く遊歩道をのんびりとした歩調で歩いた。
桜の花は三分咲きでも、園内では今を盛りと、色取り取りの花が咲き乱れている。

以下略



19: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:32:20.15 ID:4SRjOM3Xo

俺とあやせは遊歩道を並んで歩きながら、あやせが指差した花の名前を俺が答えるといった、
どうでもいいような会話を延々と続けていた。

「このピンク色の花は?」
以下略



20: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:33:09.09 ID:4SRjOM3Xo

時計を確認すると、そろそろ昼時分になっていた。
俺はどこか日当たりの良さそうな所で昼飯にしようかと思って、あやせに聞いた。

「そろそろ昼だけど、芝生広場にでも行くか? あそこなら日当たりも良いしよ」
以下略



21: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:34:02.46 ID:4SRjOM3Xo

あやせの作ってくれた弁当を食わせてもらうまでは、俺は確かにそう思っていた。
だけど、そんなくだらない考えは、あやせの弁当を食わせてもらってすべて消し飛んだ。
弁当が美味いとか、不味いとかそういう問題じゃない。
ただ、あやせの左手の親指と人差し指に巻かれた、小さな絆創膏を見ちまったら、俺。
以下略



22: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:34:37.77 ID:4SRjOM3Xo

トイレで顔を洗って急いで戻ると、相変わらずあやせは心配そうな顔で俺を見ていた。
まさか、あやせの作ってくれた弁当に感激して泣いたなんて、言えるわけねえもんな。
俺はあやせに少しでも感謝の気持ちを伝えたくて仕方がないのに、
それを素直に言葉に出来ないことがもどかしくて歯痒かった。
以下略



23: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:35:24.30 ID:4SRjOM3Xo

結局のところ今日の弁当は、あやせのお袋さんが作ってくれたってわけか。
玉子焼きといい、ホウレンソウのソテーといい、あやせのお袋さんって料理上手なんだろうな。
あやせも、いつかはお袋さんのように料理上手になるんだろうけど……。
それにしても、あやせも黙っていれば分からねえのに。
以下略



24: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:35:54.87 ID:4SRjOM3Xo
あやせは顔を真っ赤にしながら、俺の手からオニギリを取り上げようとした。
俺はそんなあやせには構わず、形の崩れたオニギリを口へ運んだ。
さっきまで俺が食っていた三角形のオニギリと、何ら味に変わりはないはずなのに……
何十倍も美味く感じるのは何でだろうな。

以下略



25: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:36:24.29 ID:4SRjOM3Xo

「初めてお兄さんと出会った時、優しそうな人で何となくいいなぁと思ったんです。
 その後しばらくして桐乃のことがあって、ほんの少しだけ嫌いになりかけました。
 わたしはまだ子供だから、あの時は、お兄さんの本心がわからなかったんです。
 でも、家に帰ってから、冷静になってゆっくりと考えてみたんです。
以下略



26: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:36:59.79 ID:4SRjOM3Xo

「わたし男の人って、何だか苦手だったんです。
 同級生の男の子から、付き合ってくれって告白されたこともあります。
 でも、わたしが断ると、陰で悪口を言われたり、良くないうわさを流されたり……。
 ……学校ではわたし、男子からあまり好かれてないんです。
以下略



27: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:37:34.06 ID:4SRjOM3Xo

「あやせ、ちょっと聞いてもいいか? もし言いたくなけりゃ、それでも構わんから」
「何でしょうか、聞きたいことって」
「あやせは初恋っていくつの時だった? さっきも言ったけど、答えなくてもいいけどさ」
「別に恥ずかしいことじゃありませんし……
以下略



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