過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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2011/04/08(金) 22:56:44.42 ID:4+5uQgBh0
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リビングの時計の針が、まっすぐ六時を差していた。
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2011/04/08(金) 22:57:46.36 ID:4+5uQgBh0
でも、今夜でこの家族も私もみんな死んじゃうのかもしれない…。
父親の、娘への想いが伝わったのか、それとも別の何かか。
まどかの重い口が、ゆっくりと徐々に、開いていった。「あのね、パパ…」
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2011/04/08(金) 22:58:16.70 ID:4+5uQgBh0
「……くすっ」父の言葉にしばらく聞き入っていたまどかだったが、急にふっと小さく笑った。
久々に見せる彼女の笑顔は、まるで宝物のように。
父には見えた。
「こーら、せっかくパパが大真面目に答えたというのに、笑うことないだろう?」
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2011/04/08(金) 22:59:07.92 ID:4+5uQgBh0
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そして静かに、見滝原の町は夜になった。
まどかたちがよく立ち寄るカフェのデパート、見滝原中学、その通学路も、川辺の野原も、
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2011/04/08(金) 23:00:07.31 ID:4+5uQgBh0
「今回のワルプルギスの夜…その第一波…。その最初の出現の対策はもう済んだ…」
資料を睨み、ほむらはぶづぶつと独りごとを言いながら。
次に見滝原市の地図に目を移す。頭の中に今夜のことがイメージされていく…。
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2011/04/08(金) 23:01:55.01 ID:4+5uQgBh0
「…」返す言葉はない。顔が髪の毛の影に隠れている。
下向きのまま、ほむらはようやく口を開いた。「ええ…確かにあなたの言うとおりよ」
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2011/04/08(金) 23:03:15.74 ID:4+5uQgBh0
インキュベーターの赤い眼球がほむらをとらえる。
「暁美ほむら。キミとのお別れの時も近い。だから話そう。ボク自身の秘密のこともね。
キミは今回の戦いを失敗したら、また時間を巻き戻すことを考えるのかもしれないが、
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2011/04/08(金) 23:03:59.96 ID:4+5uQgBh0
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夜になっても、まどかは部屋の明かりをつけなかった。
部屋の暗がりの中で、ベッドの動物のぬいぐるみたちが自分を見つめている気がする。
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2011/04/08(金) 23:04:49.66 ID:4+5uQgBh0
その悪魔の言葉が、頭の中にこだまして来る。
”まどか。いつかキミは最高の魔法少女として、最悪の魔女になるだろう。”
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2011/04/08(金) 23:06:12.19 ID:4+5uQgBh0
「私…やっぱりウソつきだ……。ごめんね。もう、家には帰れそうには……ないから……」
ついに夜の見滝原町へ踏み出したまどかの前に。
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