27:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:12:44.48 ID:WdcBs0Va0
夕食、風呂と終わらせて、リビングの明かりも消された黄泉川家。
一方通行はまだ濡れたままの髪で、自室のベッドに横になっていた。
一人になると、どうしても今日知ってしまった事実が頭の中を巡る。
打ち止めのロッカーに入っていたラブレター。何よりも番外個体から告げられたこと。
28:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:15:15.59 ID:WdcBs0Va0
一方通行は打ち止めの声を聞くやいなや、返事も忘れて素早くドアに近づき勢いよく扉を開けた。
無性に打ち止めの顔が見たい、と、抗いがたい衝動が一瞬で彼を支配したからだ。
「わっ、びっくりした。あのね、ミサカの方の袋にあなたの服が紛れ込んでたの、
って…どうしたの?」
29:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:18:37.81 ID:WdcBs0Va0
仕方ない、どうしようもない。イラつくンだ。
こんな不快な思考のままではいられない、耐えられない。
この状況を打破する方法は簡単だ。
だから一方通行は打ち止めに訊いた。ド直球に。
30:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:21:35.14 ID:WdcBs0Va0
「あなたがね、ミサカがあなたから離れちゃうかもしれない、と思うことがイヤだったの」
一方通行の心臓がドクンと鳴る。さっき、まさにそう考えていた。
「それに…もしかしてあなたが、ミサカが他の誰かと付き合うのを、
31:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:23:27.12 ID:WdcBs0Va0
戸惑い顔の一方通行を背後に見上げて、打ち止めは弾んだ声で訊く。
「ねえねぇ、ミサカがモテモテだって聞いてどうだった?ヤキモチ妬いた?」
「ハァ!?」
「ヤキモチ妬いてくれたから不機嫌だったんじゃないの、って
32:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:25:38.79 ID:WdcBs0Va0
もう片方の手が、自然と動く。
こうして打ち止めを自分の腕の中に抱くのはどれくらいぶりだろうか。
打ち止めも、彼の腕が自分を包み込むのに合わせて背中を一方通行の胸に預ける。
「……」
33:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:28:29.97 ID:WdcBs0Va0
一方通行は右手で打ち止めの顎を持ち上げ、自分の唇を彼女のそれに重ね合わせた。
(唇まで温かいンだな…)
触れ合ったところから伝わる柔らかさと温もりがもっと欲しくて
34:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:29:59.10 ID:WdcBs0Va0
二度目の、少し長いキスの後、二人は相変わらずお互いを抱きしめ合っていた。
一方通行はベッドに座り、打ち止めはその彼の膝の上に。
言葉はなかったが、お互いの鼓動を交換するだけで溶け合うような幸福感が胸を満たす。
どれくらいそうしていただろうか、ベッドサイドの置時計がピっと鳴った。
35:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:31:56.36 ID:WdcBs0Va0
(こっちの気も知らねェでそンな顔しやがって)
「重い、いいかげンどけ」
「えー、なにソレ!?ロマンチックが音速で飛んでちゃった、って
ミサカはミサカはあなたのデリカシーの無さに驚きだよ!」
36:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:35:59.54 ID:WdcBs0Va0
「それでね、番外個体が相手の人が泣いちゃってるのに、
ビリビリって足元から服を焦がしていったの」
「ふゥン…」
「焦がす場所と焦がさない場所を等間隔にしてね、
虫食いスーツ似合ってるねぇヒャハハ、ってすっごく楽しそうだった」
37:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:37:26.63 ID:WdcBs0Va0
「ふぅ、モテモテってやっぱり大変なのね。なんで急に
こうなっちゃったんだろう?」
「……」
「そういえば、番外個体とお姉さまが、胸が大きくなったせいだって言ってたかな」
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