1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:34:04.82 ID:PNdIIEYCo
立ったら書き溜め投下する。
かなりの量あります
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:35:44.75 ID:PNdIIEYCo
籠の中、そこに小さな雛鳥がいました。
その雛鳥は、生まれた時からずっと、籠の外の世界に憧れていました。
小さな籠の中で…雛鳥は、外の世界を夢見て、やがて大きくなって行きました。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:36:28.19 ID:PNdIIEYCo
某月某日、琴吹邸 大広間
紬父「えー、本日はみなさんお集まり頂き誠にありがとうございます」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:37:04.02 ID:PNdIIEYCo
―――パチパチパチパチ…!!
父の挨拶は大勢の拍手と共に終わりを迎えた。 そして、広間に集まっていた来賓が各々散開を始める。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:37:56.93 ID:PNdIIEYCo
そして私は父に付き添い、来賓への挨拶回りに向かう。
―――戦前より音楽界と経済界にその名を広め、今日まで多くの音楽業界の発展に尽力して来た由緒ある家系『琴吹家』。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:39:06.11 ID:PNdIIEYCo
女性「社長、本日はこのような素敵な会に招待して頂き…真にありがとうございます」
紬父「おお、これはこれは…わざわざ遠くからありがとうございます…」
女性「主人も社長からたくさんのお力添えをして頂きまして…わたくしの方からも、お礼申し上げます」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:39:46.98 ID:PNdIIEYCo
女性「ええ、それではまた…」
そして最敬礼で女性を見送り、私と父は次の挨拶へ向かう。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:40:29.26 ID:PNdIIEYCo
紬「はぁ……」
父と少し離れた私は持っていた携帯を開き、先程唯ちゃんから送られたメールを見る。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:41:32.24 ID:PNdIIEYCo
憂ちゃんと和ちゃんの手料理をみんなで食べて、りっちゃんと純ちゃんが持って来たゲームをやって、みんなで夜中まで楽しくお喋りをして…
………。
…考えただけで、みんなの楽しい姿が目に浮かんだ。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:41:59.65 ID:PNdIIEYCo
…確かに、ふけちゃえれば、それは簡単だった。
でも、それは父の顔に泥を塗る事になる…
父と母には、今まで多くの我が儘を聞いてもらった。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:42:37.28 ID:PNdIIEYCo
…この子達なら、どうだろう。 歳の離れた大人じゃない…同い年のこの子達なら…
学校のみんなと同じように…楽しい話に、私も混ぜてくれるだろうか?
そんな淡い期待を込めて、私は彼女達に声をかけてみた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:43:18.01 ID:PNdIIEYCo
紬「……………え…ええ…」
女の子C「あの、どうかなさいました…か?」
紬「…いえ……」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:43:57.82 ID:PNdIIEYCo
―――やっぱり…ここには、誰もいない……。
私が心の底から安心して、肩書や家柄なんか気にせずに接してくれる人が…誰もいない…。
ここでの現実を改めて直視し、肩が重くなる……。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:44:37.57 ID:PNdIIEYCo
―――
――
―
父と私の挨拶回りは続き、パーティーもまた続く。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:45:27.22 ID:PNdIIEYCo
「さすが…他の子とは全然違うなぁ…いやはや、踊ってる男が羨ましい」
「素敵…」
「へへへ…次、ボクも踊ってもらおっと」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:46:11.90 ID:PNdIIEYCo
…こう言った大きな場で、男性に声をかけられるのも今では珍しい事ではなかった。
でも、ここに集まる男性はそのほとんどは…私の事なんか見ていない…。
彼等が見ているのは…私の後ろにいる父や会社、そして私と共にいる事の優越感……そんな、下らない事だけだ。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:46:59.70 ID:PNdIIEYCo
男C「少しだけでいいから、踊りましょうよっ」
紬「きゃっ…あ…あの……」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:47:46.17 ID:PNdIIEYCo
斎藤「ふむ、それは困りましたな…」
紬「斎藤…」
男C「そうだろ、だったら早く…」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:49:27.88 ID:PNdIIEYCo
紬「斎藤…一体何を話したの?」
斎藤「いえいえ…紬お嬢様のご心配成されるような事ではございませんよ…」
紬「でもあの人…すっごく勘違いしてたみたいだけど…?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:50:03.05 ID:PNdIIEYCo
―――
――
―
広間から少し離れたところ、中庭に私はいた。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)
2011/07/25(月) 18:51:11.07 ID:PNdIIEYCo
声『唯ーー! 次お前の番だぞーー!今度こそ逆転してやっから早くー!』
遠くから聞こえる声はおそらくりっちゃんだろう、受話器越しでも分かるぐらいに一際元気な声が唯ちゃんの名前を呼んでいるのが聞こえる。
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