過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:29:42.57 ID:ooW4dNWwo
「この奇妙な世界には、決して、夢幻魔実也も九段九鬼子も、いてはくれない。峠弥勒くら
いなら、ひょっとしたらいてくれるのかもしれないけれどね」
 ありったけの嫌味を込めて、ひたぎちゃんは言う。
「だから阿良々木くん。私は――だからね、たまたま階段で足を滑らせて、たまたまそれを
救ってくれたクラスメイトが、たまたま吸血鬼に襲われていて、たまたまそれを救ってくれ
以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:30:27.20 ID:ooW4dNWwo
「楽天的――ねえ」
「そうじゃなくて?」
「そうかもしれないけどね。別に、いいんじゃないの?楽天的でも」
 僕は言った。
「世の中何にも考えないで生きていたほうがよっぽど幸せになれる。僕がいい例だろう?悪
以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/07/30(土) 10:31:39.03 ID:ooW4dNWwo
「今度生まれ変わるなら」
 ひたぎちゃんは言う。
「私は、クルル曹長になりたいわ」
「…………」
 脈絡が無い上に、もう半分くらいなっているような気もするが……。
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:33:29.51 ID:ooW4dNWwo
 そんな戯言を考えている内に、ひたぎちゃんは話題を変えた。
「ねえ、阿良々木くん。ひとつ訊いていい?どうでもいいことなのだけれど」
「何?」
「月の模様みたいって、どういうこと?」
「え?何の話?」
以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:34:59.82 ID:ooW4dNWwo
 反省。
 気遣いの足りない――不用意な発言だった。
「こればっかりは、飽きることはあっても慣れることはないわ――けれど、本当に記憶力が
無いのね。びっくりしたわ。やはり、頭の中に脳みそが入ってないのね」
「やはりとはなんだ。やはりとは」
以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:37:07.62 ID:ooW4dNWwo
006
 トラウマとは一体なんだろうか?
 精神的外傷。
 後遺症を残すような、激しい精神的ショック。
 しかし、多くの場合は後遺症を残すようなことは無い。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:39:10.94 ID:ooW4dNWwo
 なんだか前置きじみた戯言を考えながら、夜中の零時を、少し過ぎたところで。
 僕とひたぎちゃんは、例の学習塾あとに、自転車で、戻ってきた。
 何も食べていないので若干空腹である。
 ここは地方の、さらに外れの町である。
 夜になれば、周囲はとても暗くなる。真っ暗な、暗闇。それこそ、廃ビルの中も外も、ほ
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:40:28.21 ID:ooW4dNWwo
 ・ ・ ・ ・
 それなりに見えてしまうのが、少々不快だ。
「忍野さんって――神職の方だったんですか?」
 と、ひたぎちゃんが訊いたが、「いや?違うよ?」と、忍野は、あっさり否定した。
「宮司でもなければ禰宜でもないさ。大学の学科はそうなんだけれど、神社に就職はしてい
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:42:19.80 ID:ooW4dNWwo
「ふうん。君は代わり映えしないねえ」
「無茶いいますね。どうも」
 同席するとはいえあくまで部外者、傍観者なのだから、代わり映えする必要がない。
「じゃ、さっさと済ませてしまおう。三階に、場を用意しているから」
「場?」
以下略



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:43:48.72 ID:ooW4dNWwo
「言ったろ?相手は神様なんだよ。そこにいるだけ、何もしていない。当たり前だから、そ
こにいるだけ。阿良々木君だって、学校が終われば家に帰るだろう?そういうこと。勝手に
お嬢ちゃんが、揺らいでいるだけなのさ」
 障らない、襲わない。
 憑かない。
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:45:00.48 ID:ooW4dNWwo
「あの」
 意を決したような口調で、ひたぎちゃんが言った。
「あの蟹は――今も私のそばにいますか?」
「そう。そこにいるし、どこにでもいる。ただし、ここに降りてきてもらうためには――手
順が必要だけどね」
以下略



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