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2011/08/03(水) 02:33:41.17 ID:UwF03LhUo
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2011/08/03(水) 02:34:38.21 ID:UwF03LhUo
唯自身も、思いつき半分、遊び半分だったのかもしれない。
けれど私はその、おままごとじみた提案に乗って架空の女の子と恋人になった。
そうすることで、誰にも言えない二人の関係をずっと守っていけるかもしれない、と
何の根拠もない、ただ淡いだけの期待を抱いたからだった。
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2011/08/03(水) 02:36:16.07 ID:UwF03LhUo
唯は架空の妹に《憂》という名前を付け、普段の自分と区別をつけるため
《憂》でいる間は山吹色のリボンで後ろ髪を縛ることにした。
『憂はね、とってもお料理が上手で家事もなんでも完璧で、すごいんだよ』
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2011/08/03(水) 02:37:21.49 ID:UwF03LhUo
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2011/08/03(水) 02:38:44.88 ID:UwF03LhUo
「そういうとこ、和ちゃんらしい」
「え?」
「こんな状況なのに妙に冷静っていうか」
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2011/08/03(水) 02:39:30.49 ID:UwF03LhUo
「質問がいじわるだったかな。ゴメンね」
「……」
「お姉ちゃんが死んじゃったから、二人の空想ももうお仕舞いなのかな」
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2011/08/03(水) 02:40:51.85 ID:UwF03LhUo
ほんとうは私も唯も、気付いていたんだ。
二人の関係を守るために作り、積み上げたはずの空想は実際、
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2011/08/03(水) 02:42:09.44 ID:UwF03LhUo
彼女がベッドに膝を乗せ、ぎしり、とスプリングが軋んだ。
絡めていた指を外して両手を持ち上げる。
覆いかぶさるようにして私を見下ろす彼女の背中を抱きしめると、
彼女は少し泣きそうな目で笑ってから、私の首筋に吸い付いた。
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2011/08/03(水) 02:43:23.69 ID:UwF03LhUo
「和ちゃん?」
不安そうな顔をした彼女の頬を、優しく撫でてやる。
「さっき聞いたわよね。あなたと唯、どっちに逢いに来て欲しかったかって」
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2011/08/03(水) 02:44:44.79 ID:UwF03LhUo
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