5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:09:20.87 ID:iPhPIt55o
すぐに飛び起きて辺りを見回す。
カーテンの向こうでは保健室の先生が黙々と机に向かって仕事をしている。
先生の電話じゃない……やっぱりだ、やっぱり私にしか聞こえてないんだ。
そしてその音の出所は私のすぐ目の前、枕元にあった。
枕元で私の目が見た物、それは昨日拾った携帯が音を出して光を放っている光景だった。
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2011/09/09(金) 01:10:09.18 ID:iPhPIt55o
そこまで言おうとした時、机に向かっていた保健室の先生が立ち上がって歩き出した。
こんな場所で電話なんかしてるのバレたらまずいと咄嗟に考え、携帯を背後に隠す。
『もしもーし?もしもし、聞こえてるのー?』
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2011/09/09(金) 01:10:44.65 ID:iPhPIt55o
ガチャリ
梓『あっ!先生がくる』
?『先生?君、もしかして学生さんなの?』
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2011/09/09(金) 01:11:37.07 ID:iPhPIt55o
―― 中野家
家に帰ってすぐに自分の部屋の引き出しを開けるとそこには何事もなかったかのようにおもちゃの携帯が鎮座していた。
やっぱりさっきのは幻聴だったのかな……だとしたらあの唯って人はなんだったんだろう、私の想像の産物だったとでもいうのかな。
とにかく、電話が掛かってくる5時まで待ってみよう。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:12:34.14 ID:iPhPIt55o
梓「もしもし、中野ですけど」
純『おっ、梓、ひっさしぶりー!元気してた?』
梓「純!?純なの!?」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:13:32.19 ID:iPhPIt55o
ここで私はおもちゃの携帯を拾った時の事、その後、唯という人からの頭の中の携帯着信の事、その唯という人が架空の人なのか現実に存在する人なのかどうか分からない疑問、全てを話した。
純『うーん、なるほどねぇ』
梓「やっぱり私の空耳だよね。こんなの非現実すぎるし」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:15:04.63 ID:iPhPIt55o
我が家は両親が遅くまで仕事に出ていて家では私が1人でいる事が多い。
だから夕食も自分で用意しなきゃいけない。
いつも1人で食事をするけど、それが変だとも寂しいとも思わない。
だってもう慣れっこだし、それにこうして誰にも関わらないで1人でいるのが一番落ち着くから。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:15:45.70 ID:iPhPIt55o
梓『もし……もし?』
唯『おっ、繋がったー!梓ちゃんだよね?私だよ、さっき話をしてた唯だよっ!聞こえるよね?私の声』
梓『聞こえてますよ』
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:16:12.31 ID:iPhPIt55o
10分後、私はコンビニの店内の雑誌売り場にいた。
着いた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。
その間、頭の中の電話は繋がったままになっている。
私がコンビニに着いてから3分後、唯さんからコンビニに着いたという連絡が入る。
そう、ここで私達はさっき純から言われた事を今から試そうとしていた。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:16:51.80 ID:iPhPIt55o
梓『目の前の雑誌、何から何まで全部読んだことはありませんよね?』
唯『ないよー』
梓『つまり、私達2人はここの本の中身については一切知らない。だから、もし唯さんがここにある本の中身を知ってたら、あなたが想像の世界の人じゃなくて本当にいるって証明できるんです』
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