136:1
2011/12/24(土) 23:39:03.86 ID:MsIdTHw00
まさに黒子の指は触れようとしたその刹那、トレインの身体が前方へ倒れ込む。
「――――っ!?」
伸ばした手が空振りした事に驚きながら、黒子は倒れ込んだトレインが地に手を着き、限界まで負荷をかけられたバネのように身体を縮めるのを見て、咄嗟に腕を身体の前で交差させ、ガードの体勢を取った。
137:1
2011/12/24(土) 23:40:15.20 ID:MsIdTHw00
「……随分と余裕ですわね」
身体中に纏わりつく葉を叩き落としながら、黒子は低い声で言った。
それに対し、トレインが笑う。
138:1
2011/12/24(土) 23:40:44.90 ID:MsIdTHw00
「当たりかい?」
その一言で、黒子は戦慄した。
やはり読心能力者なのだろうか。
139:1
2011/12/24(土) 23:41:18.28 ID:MsIdTHw00
「……あなたこそ、わたくしの能力を低く見過ぎですの」
言って、黒子の身体が消える。
トレインが身構えるが、黒子は姿を見せない。
140:1
2011/12/24(土) 23:41:49.95 ID:MsIdTHw00
トレインの姿を視認できるギリギリの位置を保ちながら、黒子はそれを追い掛ける。
目に付いた物を転移させて、攻撃の手も緩めない。
電柱、街灯、ベンチ、ゴミ箱。
141:1
2011/12/24(土) 23:42:33.34 ID:MsIdTHw00
「……ふぅ」
美琴は当初の目的であった清涼飲料水を飲み干し、息を吐いた。
空になったアルミ缶をゴミ箱に放り込みながら、何とは無しにトレインの去って行った方向に視線を向ける。
142:1
2011/12/24(土) 23:43:07.93 ID:MsIdTHw00
耳鳴りがし、黒子はバランスを崩して尻餅をついた。
状況に頭が追い付かない。
分かるのは未だ止まぬ耳鳴りと、頬に走る熱。
143:1
2011/12/24(土) 23:43:45.49 ID:MsIdTHw00
「おめーが飛ばしてくるモンは大体予想が付いたからな。適当なのにコレ付けといた」
言いながらトレインが左手に持った物を示す。
僅かな揺れで敏感に音を奏でるそれは、トレインが首に巻いていた鈴付きのチョーカー。
144:1
2011/12/24(土) 23:44:23.56 ID:MsIdTHw00
「言っとくが瞬間移動しようとしても無駄だぜ。俺が引き金を引く方が速ぇからな」
行動を見抜かれ、黒子の表情が険しくなる。
先程彼女が感じた衝撃は、恐らく銃撃による物。
145:1
2011/12/24(土) 23:45:45.25 ID:MsIdTHw00
パチパチと、美琴の指先で電気が爆ぜる。
そして、渇いた金属音と共に、弾き飛ばされたトレインの装飾銃が地に落ち、擦れ音を響かせ転がった。
その様子を、美琴は茫然とした表情で眺める。
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