過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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33:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:21:58.54 ID:sT9PuPCN0
「昔、一人の男の子が居ました。
何処から来たのか分からない、何処に行くのか分からない……、
ただ、真っ暗な深淵の園で一人きりで生きている男の子がいました。
温もりはない。光明もない。
何もない世界で一人きりで生きてきました。
34:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:22:33.71 ID:sT9PuPCN0
頭痛がした。彼の感情の波と衝撃の波が共鳴している。
だが、頭痛がするのは、そのためだけとも言えなかった。
何だ?
他人が他人の力に恐怖する。
それがこのような事を引き起こしてしまうのか?
35:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:23:41.53 ID:sT9PuPCN0
地震が更に強くなっていく。
上昇する『ポルナレフ』の霊力に帝都が耐えられないのだ。
しかも、更に最悪な事に、彼はそれを自覚していない。
そうだ。そうなのだ、と大神は思った。
存在するだけで危険な無限大。
36:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:24:11.85 ID:sT9PuPCN0
「『アイリス』っ! 聞こえていたら返事をしてくれっ!
俺が傍に居る! 俺は……、此処に居る!
だからっ! だからっ!
聞こえていたら返事をしてくれっ!
何も恐くないからっ! 俺が居るのだからっ!」
37:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:24:51.81 ID:sT9PuPCN0
○
38:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:25:18.49 ID:sT9PuPCN0
『『アイリス』はこっちに移動させた。君に勝ち目はないっ!』
『ジャンポール』の思念が響く。
苦々しそうに、『ポルナレフ』は舌打ちした。
39:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:28:29.24 ID:sT9PuPCN0
『だって、『ポルナレフ』はアイリスだもんっ!
アイリスがひとりでさみしかったときに、もっとさみしかったもうひとりのアイリスだもんっ!
だから、アイリスには『ポルナレフ』が分かるのっ!』
『そう、君は怖がっているだけなんだ。
40:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:30:04.02 ID:sT9PuPCN0
「どいつもこいつも無駄口ばかり叩きやがってよおっ!
いいだろうっ! 無駄口なんぞ叩けないようにしてやるからよおっ!」
それは『ポルナレフ』の最後の自己境界線だった。
最大霊力を自らに集中させていく。
41:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:31:48.59 ID:sT9PuPCN0
と。
『ポルナレフ』に唐突に異変が起こった。頭を抱えて霊力が弱まっていく。
しかし、それはこれまでと違う。
『ジャンポール』は此処に居るのだ。彼が抑止しているわけではないだろう。
ならば、ならばそのようなことが出来るのは………?
42:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:32:40.12 ID:sT9PuPCN0
「発現しなかったのではなく、発現出来なかった……?」
「何だと?」
「そう……。『イリス』は発現しなかったのではない。
43:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:35:07.09 ID:sT9PuPCN0
今回はここまでです。
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