過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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51:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:04:02.92 ID:aYv84ioOo
私は腰に差していた短剣を抜いて、青年の首を縦に割いた。
動脈を狙ったつもりだったが、手元がふらついてわずかに右に逸れたようだった。

青年は悲鳴を上げ、席から転がり落ちた。
私は青年に飛びかかって馬乗りになり、顔を五指で押さえつけると、
以下略



52:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:15:37.99 ID:aYv84ioOo
7.

語るべきことは殆どもう残ってはいない。

私は城内に戻り、自分の部屋で水を一杯だけ飲むと、ベッドに倒れ伏してそのまま泥のように眠った。
以下略



53:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:18:56.62 ID:aYv84ioOo
私はそれだけ用を済ますと、すぐに街を出た。
私には、別れを告げるべき友人も家族もいなかったから、国を追放されるといっても、
それは殆ど、ただ城門をくぐるだけの作業でしかなかった。

外界に出ると、私は上司が言っていた国とは真逆の方向に歩を向けた。
以下略



54:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:20:32.76 ID:aYv84ioOo
遠い親類が見つかりましたので、私はそこで過ごします。
そう私は書いた。

もちろん、私にそんな人間はいないし、それは少し調べれば分かることだ。
しかし、ここで大切なのは真実ではない。重要なのは、可能性を提示することだ。
以下略



55:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:22:06.15 ID:aYv84ioOo
街を出てから、私は当てもなく、各地を幽霊のように彷徨い始めた。
順当にいけば、私はすでに己を野犬と虫の餌にしていた筈だった。

その結末を変えたのは、小さな容器に入った、使いかけの口紅だった。
関係を持ってから一ヶ月の記念として、私が姫に贈った髪飾り、その返礼として受け取った物。
以下略



56:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:30:50.96 ID:aYv84ioOo
その夜から何ヶ月、何年経ったのか、私にはもう分からない。

城にいた頃、金銭を殆ど使わなかったということもあり、持ち金は長旅に充分耐えうるほどあった。
そのため、旅費に困るということはなかったが、野盗が襲ってきた場合は、これを返り討ちにして
金品を奪いながら、私は各地を転々とした。
以下略



57:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:31:54.77 ID:aYv84ioOo


物語はそこで、ぷっつりと途切れていた。

私は再びそれを二、三度読み返すと、「女騎士」が寝ていたであろうベッドに寝転がった。
以下略



58:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:32:49.43 ID:aYv84ioOo
理由はひとつしかないように思う。

この『物語』は、ノンフィクションなのだ。
昨日、宿帳に名前を書いていた女性が「女騎士」その人であり、
作中の事件が全て、実際に起きた出来事だとしたら、筋は通る。
以下略



59:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:33:26.80 ID:aYv84ioOo
仮説@ 突如やってきた強盗に拉致された。

文章が途切れているということは、誰かがとつぜん訪てきたということにちがいない。
予期せぬ訪問者がドアをノックした。だから、彼女はペンを途中で止め、慌てて紙を机の中に隠した。
そして、ドアの鍵を開けた瞬間、乱入してきた強盗に気絶させられ、身柄を捕えられ荷物も奪われた。
以下略



60:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:34:16.92 ID:aYv84ioOo
私はしばらく、あれこれと考えを巡らせたが、結局ありえそうな答えは何も思いつかなかった。

不意に、私は全てが馬鹿馬鹿しくなった。こんなことに時間を取ってる暇はない。
どうせこれは、どこかの作家が書いたフィクションにちがいない。
私はそう決めつけることにした。
以下略



61:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:39:03.03 ID:aYv84ioOo
全ては推論の域を出ない。
一方で、可能性は恐らくこれしかない。

仮想的な真相は、こうだ。

以下略



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