過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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7:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:58:28.66 ID:aYv84ioOo
男が現れた瞬間、壇上の人間は戦慄し、壇下の観衆は騒然となった。

男の眼は血走り、興奮のあまり短剣を持つ手は震えていて、口から意味不明な言葉を撒き散らしていた。
姫の傍らで護衛の任に就いていた私は、直ちにこれを制圧、男を地面に叩き伏せると、
周囲を見渡して追撃の手がないかどうかを確認した。
以下略



8:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:00:45.19 ID:aYv84ioOo
件の従者が剣を握る手に力を込め、まさに振り下ろそうとする瞬間、その剣はぴたりと止まった。
姫が素手で、抜き身の刃を掴んだからだった。
勢いがついていなかったので傷は浅いようだったが、すぐに姫の手から紅い血が流れ、刃をつたった。

常軌を逸した姫の行動は、旧王立広場にいた人間をひとり残らず驚愕させ、あらゆる言葉を奪った。
以下略



9:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:08:53.86 ID:aYv84ioOo
姫、ご乱心なさいましたか、何をしている、誰でも良い、早く殺せ、この薄汚い男を。

私は男のこめかみに短剣の柄を叩きつけて気絶させると、
すぐさま自分の服を破り取って姫の手の止血にかかった。

以下略



10:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:10:51.23 ID:aYv84ioOo
一連の出来事はすぐさま民衆に広まり、どこへ行っても姫の話で持ち切りになった。
あれは単なる政治的なパフォーマンスにすぎないとか、血を流す以外に方法はあったろうとか、
姫の行動を疑問視する人間もいたが、大部分は姫の行いを好意的に受け止めていた。

何故なら、紛れもなく姫は自ら身体を張ったのであり、
以下略



11:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:12:24.89 ID:aYv84ioOo
だからこそ、あの夜、姫が自室で自慰に耽っていたという事実は、
主観時間を完全に凍結させるほどの衝撃を私に与えた。

そこに、姫に恥辱を与えたという激痛を伴う自責の念も加わったことで、翌朝になって、
ようやく再び心が時を刻み始めても、動揺した心は収まる気配さえ見せることはなかった。
以下略



12:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:14:21.09 ID:aYv84ioOo
私が混乱していた真の理由は、私が心に抱いていた姫の幻影と、
あの晩に目撃した姫の有様(ありよう)が、あまりにもかけ離れていたことにあった。
仮に、姫の本質が淫乱だと私が考えていたのであれば、私の気は、ああまで動転しなかっただろう。
黙って姫を辱めた処罰を受けるのを待っていた筈だ。

以下略



13:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:16:32.19 ID:aYv84ioOo
彼女の内の誰かが、あの姫の両手の動き――あのあり得ない所作――について手がかりをくれる筈だ。

私はこの調査が徒労に終わらないことを最後まで願っていたが、
その望みは最後まで実ることなく、あっけなく荼毘に伏した。

以下略



14:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:23:41.02 ID:aYv84ioOo
3.

「私がどうして貴女をここに呼んだか、分かりますね」
姫は何かためらっているような様子で、そう言った。

以下略



15:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:24:52.42 ID:aYv84ioOo
すぐに、姫は穏やかに私を見つめ、静かに言葉を紡いだ。
「貴女らしいですね。いつも私のことを第一に考えてくれる」

しかし、姫が紡いだ糸は、私の頭の中でもつれ、絡まって団子になり、思考の行方を奪った。
「それが私の務めです」
以下略



16:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:26:15.05 ID:aYv84ioOo
私は驚きのあまり、声が震えるのを必死に抑えながら応えた。
「姫様、僭越ながら」

「何でしょうか」

以下略



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