過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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554: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:10:17.68 ID:0fXm8d2Co
その言葉を聞き、ニィっと笑い、次の瞬間――狂ったように、笑い出した。
馬鹿馬鹿しいほどに高い天井と、石造りの広間に反響して響き渡る『魔王』の哄笑。
勇者でなければ、耳に残って神経症を患っても不思議ではない。
魔王の笑い声を受けながら、勇者の視線は揺らがず、ただ一点を見据えていた。
すなわち、歪ませて笑う魔王の顔を。
以下略



555:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/17(土) 23:10:50.86 ID:0uLUaWETo
あるだろ


556: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:11:32.08 ID:0fXm8d2Co
淫魔達と、絶技と淫具を用いた快楽の渦へと飛び込みたかった。
それは――疑えない。
だから自分は迷い、結果として淫魔の国で七日を過ごした。


以下略



557: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:14:14.43 ID:0fXm8d2Co
魔王「知っているのだ。……我を倒して祖国へ戻れば、英雄として妃を娶る事になるのだろう?」

事実。
一度力を付けて故郷に戻った時、もてなされた酒宴ではそういう話を持ちかけられた。

以下略



558: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:16:20.83 ID:0fXm8d2Co
最初の言葉を、魔王は再び唱えた。
威圧するような口調ではない。
只管に優しく、聖人が手を差しのべるかのように、抗いがたい空気を纏って。

魔王「さぁ、勇者よ。貴様は、もう戦わなくていいのだ。……次代の勇者に望みを託し、淫魔達と永劫の快楽を愉しむが良いぞ」
以下略



559:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/17(土) 23:19:22.14 ID:Jq/zC3Jc0
初リアルタイム


560: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:21:20.85 ID:0fXm8d2Co
微笑みを浮かべたまま、こちらを見据える勇者の顔を見つめた。
獲物へ狙いを定めた鷹のような。
旅の最中、理義の怒りに燃えて戦いを決意した時と、同じ目だ。

魔王「……捨てるのだな?」
以下略



561: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:23:39.99 ID:0fXm8d2Co
弾かれたように両者が距離を取る。
魔王は壇上へ飛び、右手指先に五つの火炎球を形成して勇者へ放つ。
火炎球が四つ、勇者の前後左右へ着弾して退路を断ち。
残りの一つが、そのまま勇者へと向かった。

以下略



562: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:28:35.08 ID:0fXm8d2Co
勇者「さて。――次は、こちらの番だ!」

勇者を取り巻いていた火炎が、一瞬で消える。
強風に煽られたように、刺すほど冷たい空気が勇者を中心に広がり、魔力の炎を打ち消した。
波動は魔王へも届き、その冷たさに身じろぎを示す。
以下略



563: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:46:19.35 ID:0fXm8d2Co
炸裂した地点及び、そこと勇者の左手の間に、帯電した空気が充満する。
落雷で砕けた石畳と玉座が、砂埃を上げて視界を塞ぐ。
魔王の肉体が焦げた匂いは漂わない。
炸裂前に何らかの防御術を発動させていたとしても、魔力の残響を感じない。

以下略



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