236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:42:48.77 ID:8mwsMNZS0
雪はまだ止まない。
涙の跡が冷たくなって、頬に刺激が加わり始めると、体全体がおもしろいくらいに震えてきた。
体が温かさを求めてる。
でも、それは心のほうなんだなって思う。
どこまでも、凍りついてしまえばいいのにって思っても、この気持ちだけは凍りつかない。
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 15:03:04.90 ID:8mwsMNZS0
―結衣―
結衣「わざわざ報告してくれるのは、おせっかいじゃないかな?」
電話を片手にやっていたはずのゲーム。
238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 15:44:53.41 ID:8mwsMNZS0
あかりは偽りながらも、それを認めて偽り続けて。
京子は偽ってるのを分かってるけど、それを理解しようとしてない。
そう考えると、本当にちなつちゃんは器用な子なんだなって思えるよ。
ちなつ『残念って、私結衣先輩からも信頼されてないんですかね?』
239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 16:17:20.07 ID:8mwsMNZS0
ちなつ『結衣先輩は、あかりちゃんに、どうなってほしいんですか?』
結衣「……」
あかりにどうなってほしいのか、それがちなつちゃんの聞いてきたことだった。
240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 16:39:06.91 ID:8mwsMNZS0
結衣「ちなつちゃんも同じ考えなんでしょ?」
ちなつ『当たり前です』
本当に自信満々に即答してくる。
241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 16:46:35.24 ID:8mwsMNZS0
その言葉で完全に私の思考は停止しかけていた。
なんてことだ、よりにもよってちなつちゃんに目撃されていたとは!
結衣「え、えっとね。あれは転びそうになった私をですね」
242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 16:47:27.95 ID:8mwsMNZS0
今日はここまでになります。
243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/31(火) 13:41:39.50 ID:WbNtukUV0
―京子―
京子「……」
心の中のイライラはまだなくなりそうになかった。
244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/31(火) 13:51:40.45 ID:WbNtukUV0
携帯に手を伸ばして、電話帳を開く。
いくつもあるわけじゃない電話帳の中、さ行から『杉浦綾乃』を押す。
電話番号にメールアドレスを見てから、私は何を話すべきなのか考えていた。
明後日のデートの話?
それとも今さっきのことを話して慰めてもらいたいの?
245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/31(火) 14:03:49.17 ID:WbNtukUV0
沈黙、電話をかけた私は何も言うことがなくて。
あかりも何も言わないで黙りこんでいた。
電話をしたこと、それだけでもなんだか頭が重たくなるような行為なのに、今はそんなことは無かった。
ただ、真っ白に何も考えていない私が、あかりに電話をしただけだ。
部屋に響く時計の音と、隣の部屋から聞こえるテレビの音。
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