過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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1: ◆sk/InHcLP.
2011/12/08(木) 00:05:19.39 ID:LKoMR9wE0


「……食い逃げだぁ―――っ!!」


七月十九日。
夏休み前日ということもあり、ここ学園都市では多くの学生たちが羽を伸ばしているようで、相当数の飲食店も繁盛していた。
ありがたいことにこの店もそんな恩恵を受けた第七学区のファミレスの一つになっている。
…のだが、早速問題が発生した。


「一気に十人が食い逃げって……ありえねぇー!」


史上まれにみる食い逃げ犯だと思う。
団体客だったどう見ても不良な男たちが名門の常盤台お嬢様に絡んでいる途中に、ツンツン頭の男子高校生が割って入った。
店長としては店内で揉め事は避けたい訳で、迂闊に手が出せず黙って見てるしかなかったから、この少年の行動には結構感動していた。
だが、威勢良く割って入ったところまでは良かったものの、その後トイレから現れた大量の不良たちに圧倒され、少年は逃げ出してしまった。

そこからはもう芋蔓式というか、まるで鬼ごっこのように不良たちが少年を追いかけて店から出て行ってしまった。
あのツンツン頭の少年については多少不憫に思わないでもないが、この状況は店側としては堪ったものではない。
とにかく、逃げてしまったものは仕方がないので、この街の治安維持機関である『警備員』に連絡を入れようとするが、


「あー、電話するのはちっとばかし待ってくれないかにゃー?」


…にゃー?
声はどう考えても男なので、何て気持ち悪い野郎だと思いながらとりあえず顔を上げて向き合ってみる。
そこには、何というか非常にチャラい高校生くらいの少年が立っていた。
髪は金髪に染めてるしサングラスもしてるしアロハシャツだしネックレスもジャラジャラだし、もうチャラ男のあらゆる要素を詰め込んだような男だ。
もしかしてさっきの…おそらく『武装無能力集団』の仲間か、と疑ったが、


「うーんとにゃー、今しがたツンツン頭の馬鹿そうな高校生が食い逃げ…っつか、食わずに注文だけして逃げてっただろ?」

「あ、ああ。君は彼の知り合いか何かかい? まったく困るんだよ。とにかくこっちは被害を被ったんだから、警備員に連絡させてもらうよ」

「あーだから待ってくれってば。今から金払うから」

「………は?」


どうやら不良たちではなく、勇敢なツンツン頭のお馬鹿さんの知り合いらしいが、知り合いだからって普通食い逃げ…いや食わず逃げの代金を払うものなのか?
もしかして目の前の金髪グラサン少年は見た目によらず近年まれにみる超絶いい人なのだろうか? というか、この感じだとやっぱり不良たちはただの食い逃げになってしまうのか?
そのようなことをずっと考えているうちに段々頭が混乱してくる。



2: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:06:27.56 ID:LKoMR9wE0
と、そうしているうちに少年は財布から適当に札を何枚か引っ張り出し、カウンターに置いていた。


「…ほい。確か『苦瓜と蝸牛の地獄ラザニア』だったから、このくらいの値段だろ?」

以下略



3: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:07:42.52 ID:LKoMR9wE0

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そして七月二〇日。
以下略



4: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:08:57.83 ID:LKoMR9wE0
そんな風に色々と考えていると、不意に簡易ベッドに置きっぱなしの携帯電話が鳴りだした。
朝っぱらから電話……もしかすると担任の小萌先生からのラヴコールかもしれない。
というか、有り体に言ってしまえば補習の催促かもしれない。
そんなことを心で呟きながら電話に出てみると、

以下略



5: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:10:31.41 ID:LKoMR9wE0
いくら何でもありえないだろう、と思わずにはいられなかった。
空から降ってきたヒロインが実在するというのもそうだが、その少女が布団のように干されているというのは流石に信じられない。
そんな出会いが許されるなら今ごろ日本の幸福度ランキングは現在の順位から一気にトップテンまで上昇しているはずだ。
電話先の少女もこの事態にまだ理解が追いついていないらしく、声が少しだけ上ずっていた。

以下略



6: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:11:32.28 ID:LKoMR9wE0


「さて。問題は山積みだけど、とにかく一個ずつ片づけていくしかないか」


以下略



7: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:12:42.92 ID:LKoMR9wE0

「なんだ………こりゃあっ?」


またもや間の抜けた声を発してしまった。しかし、本当にそれ以外の言葉が浮かばなかった。
以下略



8: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:14:10.15 ID:LKoMR9wE0

「おなかへった」

「う、うにゃー……」

以下略



9: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:15:32.42 ID:LKoMR9wE0

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「……ん? あの金髪は確か…?」
以下略



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