69:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:49:19.25 ID:l5SKq28Z0
考えれば考えるほど、心が身動きを取れなくなっていく。
その間にも時計の針は休むことを知らず、正確に己が役目を果たしている。
女が一度は『無限の愛』を傾けた尊い世界が、生まれ変わるために死んでいく。
70:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:49:57.15 ID:l5SKq28Z0
「しなないで、すている」
71:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:50:30.36 ID:l5SKq28Z0
72:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:51:44.32 ID:l5SKq28Z0
女が我に返った時、世界は夜だった。
より正確には一面の闇だった。
そして、物音一つしない静寂だった。
73:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:52:48.82 ID:l5SKq28Z0
続いて声が戻ってきた。
だが、望む名前を滑らかに発声できない。
筋肉の硬直が原因ではない。
74:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:53:20.45 ID:l5SKq28Z0
遅れること数秒して、背にじくりとした痛み。
それでやっと女は、自分が抱き締められているのだと悟った。
75:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:54:06.62 ID:l5SKq28Z0
「…………へ?」
「……ああくそ、力が入らないな。まあ……一発は一発だ、『ひっぱたいて』やったよ」
76:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:55:31.66 ID:l5SKq28Z0
「……確かに今日は、僕の初恋の女の子の命日だ。悲しむべき日だ」
77:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:56:27.70 ID:l5SKq28Z0
意を決して箱を開いた。
78:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:57:42.63 ID:l5SKq28Z0
わけがわからない。
いや、理解できないわけではないのだが、思考が完全には追いついてこない。
これは、その、つまり、いわゆる。
79:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 23:00:09.46 ID:l5SKq28Z0
「やはり、僕程度の二流にはこたえるね」
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