462:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:03:41.47 ID:x6fXrDtV0
一瞬、私はそれ以上の言葉を出すのを躊躇った。
まだはっきりしない記憶を口に出すのもどうかと思ったし、
それ以上にその記憶をはっきり断定させるのが怖かった。
あの日、私達は大怪我をした。したはずだ。
怪我をした箇所は、私は右腕、ムギも右腕で、澪は左脚、梓が肋骨。
463:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:05:15.79 ID:x6fXrDtV0
「唯は病室のベッドに横たわってた……。
悲しそうな表情の憂ちゃんや和達が唯を見てた……。
それを私達が遠巻きに見てた……。
そこまでは思い出した。思い出したんだ。
それで……、唯がベッドで寝てる理由も思い出したよ。
464:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:05:47.82 ID:x6fXrDtV0
梓がそれ以上の言葉を躊躇う。
この世界が唯の夢だとしても、その責任を唯一人に押し付ける形にはしたくないんだろう。
でも、梓の言う事ももっともだった。
この閉ざされた世界を想像して創造してるのは、間違いなく唯だ。唯にしか出来ない。
それをどうやってるのか……。
465:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:06:17.91 ID:x6fXrDtV0
「考えてみりゃ、その通りだよな……。
この世界は唯の夢で、唯が死ねば私達はこの世界から解放される……。
単純過ぎて笑っちゃうくらいだよ……。
簡単な……答えだよな……、馬鹿みたいに……」
466:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:06:55.04 ID:x6fXrDtV0
私は壁際に寄って、背中を壁にくっ付けながらその場に座り込んだ。
もう立っていられる気力も無かった。
だけど、それでも、言葉だけはどうにか皆に届ける。
467:にゃんこ[saga]
2012/05/22(火) 18:10:16.54 ID:x6fXrDtV0
今回はここまでです。
かなり話が終わりに向けて近付いてきました。
ここまでお付き合い頂けて、本当にありがとうございます。
468:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)
2012/05/23(水) 09:27:20.51 ID:t4+Q+ubP0
一気読みしてしまった 乙です LvEもまじって外と内から干渉するかな?
なんておもっていたらとんでもない方向に向かって行ってびっくりです
心が締め付けられるような感じに襲われる文章も素敵です 続き楽しみにしています
469:にゃんこ[saga]
2012/05/24(木) 17:54:11.61 ID:aQbTBr6w0
「律……」
澪が呟きながら歩き寄って来る。
私は唯の顔から視線を逸らさなかったけど、それはよく分かった。
470:にゃんこ[saga]
2012/05/24(木) 17:54:52.07 ID:aQbTBr6w0
「律……」
また澪が呟く。
私はそう呟く澪の表情を見つめて、初めて気が付いた。
471:にゃんこ[saga]
2012/05/24(木) 17:56:22.54 ID:aQbTBr6w0
そうだな……。
私は……、甘えていた……。
甘えていたんだ、皆に……。
私は皆に謝りたかった。皆に責められたかった。
あらゆる事に役立たずの自分を自分自身が許せなくて、
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