798:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:14:57.80 ID:bDf9OSPn0
サバイバルナイフを砥石で研いでいた青年が
「ん?」
と言いこちらを向く。
799:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:15:34.43 ID:bDf9OSPn0
「珍しいな、お前が警戒されるなんて」
青年……赤い髪をした泉が、不思議そうに言う。
彼は腰のホルダーにサバイバルナイフを差し込むと、
800:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:16:15.70 ID:bDf9OSPn0
彼女よりももっと先のところには、
この寒い中だというのに、Tシャツとジーンズ姿で
窓脇に座り込んでいる少年がいた。
眼鏡をかけた彼は、カチャリ、カチャリ、
801:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:16:47.50 ID:bDf9OSPn0
「え、何? あたし何かした?」
きょとんとした彼女に向かって、
目をつぶりながら右手を突き出し……。
802:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:17:25.52 ID:bDf9OSPn0
「……まだ俺のことを警戒してるのか。
涙、あいつのビー球、どうも良くないみたいだ。
止めさせてきてくれるか?」
「分かった」
803:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:17:58.49 ID:bDf9OSPn0
*
愕然とした、と言う表現が一番早いかもしれない。
目の前に並べられた美味しそうな料理。
804:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:19:17.63 ID:bDf9OSPn0
「ハイコアを七つも持っている魔法使いなんて
聞いたことがありませぬ。きっと先は長くないでする」
「そういうことを目の前で言うもんじゃない、更紗」
805:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:19:54.23 ID:bDf9OSPn0
「涙姉さん、どうしたの? おいしくなかった?」
声をかけられた涙は、
ボーッとした表情で少女のことを見ていたが、
ハッとして硲の方に視線を移した。
806:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:20:29.27 ID:bDf9OSPn0
彼は更紗のほうを見て、
涙がしたと同じように肩をすくめてみせた。
「何だ、怖いのか」
807:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:21:01.40 ID:bDf9OSPn0
泉が言葉を止め、少女に向き直る。
「おお、喋れるようになったか!
はは、良かった。ずっと『おし』のままかと思ったよ」
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