834:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:26:35.95 ID:pOQ9sNVj0
スナッフを扱う裏ルートの新聞の、一部だった。
「さっき外に出タ時ニ拾ってきテな」
「何……ですの、これ……」
835:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:27:09.12 ID:pOQ9sNVj0
少し経った時、不意に功刀に、寝ぼけて抱きついた時があった。
彼は少し面食らったようだが、別段嫌がるそぶりはなかった。
それからエスカレートして、今に至る。
836:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:28:39.48 ID:pOQ9sNVj0
燐は功刀のコートに顔をうずめて、目を閉じた。
「お父さんの匂いがする……」
それを聞いて、功刀は小さく喉を鳴らして笑った。
837:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:29:06.00 ID:pOQ9sNVj0
『功刀さん、あなたに質問があります』
里が文章を送って寄越す。
功刀は小さくそれに答えた。
838:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:29:34.66 ID:pOQ9sNVj0
「そんなものはナイ」
『では何故?』
「敢えて言うナラバ、更姉の、忘れ形見ダカラダ」
839:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:30:08.20 ID:pOQ9sNVj0
*
燐が目を覚ました時、功刀は変わらずに彼女の頭を撫でていた。
燐は少しの間寝ぼけ眼だったが、
840:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:31:07.11 ID:pOQ9sNVj0
「私、少しは魔法も使えるようになりましたし、
少しは役に立てますわ。それに……」
燐は少し表情を暗くして、呟くように言った。
841:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:31:47.03 ID:pOQ9sNVj0
それをしばらくの間見つめて、功刀は彼女に手を差し出した。
「何ガアッテも、俺カラ手を離すナ。分かったナ?」
「分かりましたわ。子供扱いしないで欲しいですの」
842:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:32:21.57 ID:pOQ9sNVj0
影の中では、時間の流れが早くなる。
つまり、外の時間は影の中よりも遅いというわけだ。
一瞬、自分が「早く」感じたのはそのせいだった。
843:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:32:59.13 ID:pOQ9sNVj0
『オドス』を感じる。
漠然とそう教えられていただけだったのだが、
実践してみると、その難しさがよく分かった。
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