924:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:40:35.37 ID:NNs5Kzip0
「分かった」
珍しく即答して、硲は起き上がった。
そして涙の前に胡坐をかいて、
925:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:41:10.10 ID:NNs5Kzip0
*
硲が目を覚ました時、
彼は自分のベッドに丸くなっていた。
926:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:42:22.62 ID:NNs5Kzip0
「まだあんたは……
兄さんの言うことなら何でも聞く
その性格をなんとかしなさい」
呆れたように涙が言って、
927:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:43:05.18 ID:NNs5Kzip0
泉が片手を上げて口を開く。
「確かにどこかに永住できたら、
それはそれで有り難いと思うよ。
でもね、永住できないから
928:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:43:37.19 ID:NNs5Kzip0
泉は一瞬硲の方を見てから押し黙った。
それを受け継ぐように、更紗が慌てて言い繕った。
「そ……そういう訳ではございませぬ。
929:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:44:16.22 ID:NNs5Kzip0
「ど……ど、どこか……べ、別、別のところ
……行きたい……言い、まし、し、た。
ごめ、なさい……」
そういうことか、
930:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:45:04.21 ID:NNs5Kzip0
「別に何千人死のうが構わん。
そのための計画の話をしてたんだ」
「兄さん……もしかしてまだ懲りてないの?
それならそれで、こっちにも考えがあるんだけど」
931:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:45:47.58 ID:NNs5Kzip0
「そういうことじゃ……ないんだよ!」
いきなり怒鳴って、涙は泉に近づくと、
その頬を思い切り手で張った。
932:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:46:30.28 ID:NNs5Kzip0
吐き捨てた涙と泉の間に、
そこで更紗が割って入った。
彼女は怯えた顔で涙を見上げたが、
すぐに視線をそらして頭を下げた。
933:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:47:04.72 ID:NNs5Kzip0
「あたしは反対だな。今のままでいいよ」
「結局はそこに落ち着くのか……」
「結局も何も、今のままで生きていくことは
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