過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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144:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:53:13.47 ID:s9qUNLnH0
「何となくですが……分かります。
あなたのバーリェ達は、みんなあなたを
守るために死にました。どの子も、自分が死ぬことに
対して躊躇がありませんでした。
あなたは、愛されていたんだなって私は思います」
以下略



145:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:53:39.28 ID:s9qUNLnH0
「…………」

「多分俺は、返せてない。
あいつらに、あいつらの与えてくれた愛を、
それに値する愛を返せていない。
以下略



146:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:54:10.72 ID:s9qUNLnH0


絆が希望したのは、軍病院からさして
離れていない小さな自然公園だった。

以下略



147:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:54:40.32 ID:s9qUNLnH0
そしてひときわ強い風が吹いて、
どこかに消えていってしまった。

絆は、またひらひらと落ちてきた花びらを手で掴んだ。

以下略



148:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:55:16.33 ID:s9qUNLnH0
過ぎ去った日。

過ぎ去ってしまった日。

もう戻らない日々。
以下略



149:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:55:58.21 ID:s9qUNLnH0
優秀な個体であればあるほど、そうなる。

それに、今回のように自爆してしまった
優と文には、亡骸が存在しない。

以下略



150:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:56:33.70 ID:s9qUNLnH0
彼女の名前も彫ってやらなければならなかった。

絆達人間も、死んだら大概は火葬されて
灰は埋め立て処分をされる。

以下略



151:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:57:14.86 ID:s9qUNLnH0
いつ掘られたものなのかは分からない。

絃が掘ったのだろう。

おそらく、桜を連れて本部に出頭した最後の日に。
以下略



152:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:57:53.62 ID:s9qUNLnH0
――涙が流れた。

最後に文の名前を彫り終わって、
絆は彫刻刀を取り落とした。

以下略



153:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:58:23.26 ID:s9qUNLnH0
もう戻らない日々。

もう返らない日々。

ピンク色の花びらが舞っている。
以下略



154:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:58:58.67 ID:s9qUNLnH0


雪の目が覚めたと聞いたのは、
それから二日経ってのことだった。

以下略



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