過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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357: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:23:14.16 ID:ZBJljBKH0
「じゃあ……勝ったんだ、私達」

「そうだよ、バイドはもういないんだ。スゥちゃん」

嗚呼。掠れた声が漏れるのを、スゥは堪えられなかった。
以下略



358: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:25:24.21 ID:ZBJljBKH0
「……終わったのね」

戦いの終結。それを実感し、マミは一つ大きく吐息を漏らした。
つい先ほどまでバイドとの激しい戦いを繰り広げていたのだろう、マミの駆るババ・ヤガーは
既に全身に無数の弾痕が刻まれ、その巨大な砲身は中ほどでひしゃげて折れていた。
以下略



359: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:26:04.18 ID:ZBJljBKH0
随分と時間をかけて集結を果たした魔法少女隊の面々へ向けて、再びマミが語りかけた。

「どうやら私達の知らないところで、バイドとの戦いは既に終わっていたようね。
 それ自体はいいことよ。散っていった仲間たちも喜んでくれると思う。
 ……でも、私達の戦いはまだ終わりじゃない」
以下略



360: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:27:11.75 ID:ZBJljBKH0
そして同時に、少女達の胸中にも沸々と怒りが湧き上がってきた。
そもそもにして、こんなところに自ら望んで来ているものなどほとんどいない。
誰もがその素質を見出され、強制的に徴兵されたような少女達ばかりなのだ。
その横暴に、その事実すら認めようとしない傲慢さに、黙っていられるはずなどが無い。
最早この場には、運命に翻弄されて膝を抱える少女などは一人もいない。
以下略



361: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:27:52.85 ID:ZBJljBKH0
「謝る必要なんか無いわ。……貴女達のその選択は間違ってない。
 きっと、それも勇気ある決断だと思うから」

どうしようもない不条理を、やるせない憤りを、吐き出しぶつけるのではなく、ぐっと堪えて飲み込んだ。
それはある意味、戦いを選ぶ少女達よりもずっと大人な選択であるかもしれない。
以下略



362: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:29:03.83 ID:ZBJljBKH0
「……あのね、スゥちゃん」

虚空を漂う二人。二人きりの時間はそこに無限にあった。
けれど、本当に無限にしてしまう訳にもいかなかった。
まどかには、スゥに話さなければならないことがあった。
以下略



363: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:29:52.71 ID:ZBJljBKH0
「ごめんね、スゥちゃんだけでもどうにか返してあげたかったんだけど……無理みたいなんだ」

「いいよ。まどかとずっと一緒に居られるんだから。人類はもう救われた。
 だったらもう、私はまどかが居てくれればそれだけでいいから」

以下略



364: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:30:13.84 ID:ZBJljBKH0
繋いだ手と手が分かたれる。そして急速に、スゥの存在と身体が消失していく。

「何なの……まどか。まどかなの?」

それはまどかの転移にも似ていた。
以下略



365: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:30:42.06 ID:ZBJljBKH0
その叫びは、まどかの胸をきりきりと締め付けた。
離別の苦痛。永遠の孤独。待ち受けるそれがまどかを苛んだ。
引き止めたい。一人は嫌だ。もう一度手を伸ばしてスゥを掴まえたい。
側にいてほしい。思いはどんどん募っていった。

以下略



366: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:31:10.01 ID:ZBJljBKH0
目が覚めると、そこには宇宙が広がっていた。
そよぐ風が頬を撫でる。よく見れはそれは宇宙ではなく、星空だった。
虚ろに伸ばしたその手は、確かに星空に向かって伸ばされていた。

呆然と辺りを見渡した。そこは静かな草原だった。
以下略



367: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:32:30.73 ID:ZBJljBKH0
「私の存在が生み出した少女達を助けたい、か。
 ……本当におかしなことを願ったのだね、キミは。スゥ=スラスター」

死を迎えた肉体から離れ、弱弱しく輝くスゥ=スラスターのソウルジェム。
その輝きを見つめながら、キュゥべえは呟いていた。
以下略



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