過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
1- 20
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/03/30(金) 19:57:38.42 ID:S2fDDXur0
いつもの放課後。一人目的もなく旧校舎をぶらついていると、どこからかヴァイオリンの音色が聞こえてきた。

朋也(ヴァイオリンの音色……?珍しいな……)

特に目的もないためそのヴァイオリンの音色を追った。
着いた先は、旧校舎の空き教室の一部屋。俺はその教室のドアを開け、中に入った。
中に居たのは、女生徒が二人。一人はヴァイオリンを演奏していて、もう一人はその側の椅子に座っていた。
胸の校章を見て、2年生だということがわかる。二人とも集中しているようで、俺が入ってきたことに気がつかない。
とりあえずは、その演奏を聴いていることにした。

朋也(上手だな…。)

聴こえてくる演奏は、素人の俺が聴いていても上手なものだと思えた。
しかし、時折演奏に違和感を覚える。何に対しての違和感なのかはわからないけど。
やがて演奏が終わると、ひとりで聴いていたもうひとりの女生徒が拍手していた。
パチパチ。
それにつられたわけではないが、俺も拍手をする。その拍手に気づいたのか、二人がようやくこちらを向いた。

SSWiki : ss.vip2ch.com(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)



2:
2012/03/30(金) 20:00:30.48 ID:S2fDDXur0
女生徒「………………」

少し驚いたような目で、俺のことを見ていた。

朋也「悪いな、邪魔して。ヴァイオリンの音色が聞こえてくるなんて珍しいと思って、つい、な」
以下略



3:
2012/03/30(金) 20:02:01.46 ID:S2fDDXur0
女生徒「いえ、演奏部ではないです」

ここで、もうひとりの女生徒が口を開いた。
……少し、表情を曇らせながら。

以下略



4:
2012/03/30(金) 20:03:00.68 ID:S2fDDXur0
朋也「そうか。じゃ、また聴きたくなったらここに来るな」

そういって、立ち去ろうとする。

女生徒「あ、待ってください」
以下略



5:
2012/03/30(金) 20:05:13.31 ID:S2fDDXur0
CLANNAD IF
〜仁科編〜


6:
2012/03/30(金) 20:06:32.93 ID:S2fDDXur0
また、ある日。
早くに目が覚めてしまった俺は、わざわざ遅刻することもないだろうと思い、しばらくぶりにまともな時間に学校へと行くことにした。

………………。

以下略



7:
2012/03/30(金) 20:08:11.23 ID:S2fDDXur0
仁科「おはようございます。岡崎さん」
朋也「お、おう。おはよう……」

下級生に話しかけられるのは慣れていないので、少し返答に戸惑う。

以下略



8:
2012/03/30(金) 20:10:13.62 ID:S2fDDXur0
その日の放課後。ふと気が向いた俺は、この前の空き教室に足を向けていた。

朋也(仁科のヴァイオリンの演奏、また聴きに行くか…………)

なぜそういう思考が思い浮かんだのか、自分自身不思議だった。今まで、誰かと積極的に関わろうとしなかったのに。
以下略



9:
2012/03/30(金) 20:12:07.03 ID:S2fDDXur0
朋也(……?どういう意味だ……?)

俺にはその質問の意味がよくわからなかった。

仁科「大丈夫、杉坂さん。それに……さっき言ったでしょ?」
以下略



10:
2012/03/30(金) 20:14:21.88 ID:S2fDDXur0
演奏が終わる。それまで椅子に座って聴いていた俺は、やはり拍手を送る。
仁科の近くに座っていた杉坂も、拍手をしていた。しかし杉坂は、どことなく元気がなかった。

朋也「良かったよ、演奏。やっぱり、俺、仁科の演奏気に入ったみたいだな」
仁科「あ…ありがとうございます」
以下略



11:
2012/03/30(金) 20:16:04.92 ID:S2fDDXur0
演奏が終わる。それまで椅子に座って聴いていた俺は、やはり拍手を送る。
仁科の近くに座っていた杉坂も、拍手をしていた。しかし杉坂は、どことなく元気がなかった。

朋也「良かったよ、演奏。やっぱり、俺、仁科の演奏気に入ったみたいだな」
仁科「あ…ありがとうございます」
以下略



12:
2012/03/30(金) 20:19:05.24 ID:S2fDDXur0
杉坂「……いえ。そういうわけではないんですが……。ただ……。……いえ、なんでもありません」

なにやら濁したような気がしたが、あまり深く追求しないようにしよう。

朋也「じゃあ、またな」
以下略



13:
2012/03/30(金) 20:21:59.61 ID:S2fDDXur0
次の日の放課後。今日も演奏を聴かせてもらおうと思い、旧校舎に足を向けていた。
と、その途中。見知った顔があった。

朋也「杉坂……」

以下略



14:
2012/03/30(金) 20:24:38.19 ID:S2fDDXur0
朋也「仁科がどうかしたか?」
杉坂「仁科さんに、あまりヴァイオリンを演奏させないであげてほしいんです」
朋也「どうして」

本人がいないから、突っ込んで話を聞く。
以下略



15:
2012/03/30(金) 20:27:31.77 ID:S2fDDXur0
杉坂「おねがいします。聴きに来ないでとまでは言いませんから、せめてりえちゃんが自分で演奏しているときだけ聴きに来てください。
   岡崎さんが来ると、りえちゃん、また無理して演奏しちゃうだろうから……」
朋也「……わかったよ。ヴァイオリンの音色が聴こえてきたら、邪魔するよ」

結局深い話は聞かず、それだけ約束した。
以下略



16:
2012/03/30(金) 20:28:56.95 ID:S2fDDXur0
杉坂の忠告を受けた俺は、放課後に旧校舎へ足を向けることもなくなっていた。そのまま、数日が過ぎた。
登校中。俺がだらだらと歩いてると、後ろから声を掛けられた。

声「あ……岡崎さん」
朋也「ん?」
以下略



17:
2012/03/30(金) 20:31:01.41 ID:S2fDDXur0
杉坂の言っていた通りだった。こいつは、誰かに自分のヴァイオリンの演奏を聴いてもらうのを、楽しみにしているのだ。
杉坂の方を見ても、顔をうつむかせたままこっちを見ようとしない。

朋也「ああ……悪いな。土曜と昨日は、ちょっと忙しかったんだ」
仁科「そうですか……。今日は、どうですか?来る時間は、ありそうですか……?」
以下略



18:
2012/03/30(金) 20:34:37.80 ID:S2fDDXur0
そして昼休み。二年の教室の並んでいる階までやってきた。
適当に歩いてる奴を捕まえて、二年の杉坂って奴、どこにいるか知らないか、と聞いて回った。

男子生徒「ああ、杉坂なら、たぶん旧校舎の空き教室に行ったんじゃないかな」
朋也「マジかよ……」
以下略



19:
2012/03/30(金) 20:36:43.08 ID:S2fDDXur0
朋也「前におまえが言ってた通り、俺のほうからは行かなかったけど、今日はどうすればいい?朝の様子だと、仁科は俺が来ると思っているに違いないぞ」
杉坂「そうなんです……。私も、困りました。仁科さん、岡崎さんが土曜から来なくなってから、ずっと気にしてるんです。今の私の演奏じゃ誰も惹きつけられない、という感じで……」

杉坂は悲しそう顔をしていて、今にも泣き出しそうだった。

以下略



20:
2012/03/30(金) 20:39:25.11 ID:S2fDDXur0
朋也「とりあえずは、あいつの思うようにやらせてやったほうがいいんじゃないのか?」

仁科の事を考えると、裏で杉坂とこういう風に話をしているのを知ったら、それはそれで悲しむだろう。
自分の都合のせいで、友達を困らせているのだから。

以下略



21:
2012/03/30(金) 20:41:36.98 ID:S2fDDXur0
その日。仁科達とは別件で、少々やっかいな問題が起こっていた。
古河渚。ふとしたきっかけで、俺は彼女の演劇部設立の手伝いをしていた。
部を設立する為には、いくつかの条件を満たさなければならない。
少なくとも三人以上のメンバー。部の顧問。そして、部室の用意だ。
部室の用意と、三人以上のメンバーは確保出来ていた。当人である古河に、俺の知り合いの藤林姉妹。
以下略



270Res/196.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice