過去ログ - 貧乏神「私がメイドですかッ!?」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 19:12:35.10 ID:BKntfQyDO
深夜、とあるアパートの押し入れの中。
?「今日もゴハンがおいしいです〜」
そこで、少女がもりもりと元気にゴハンを食べていた。
だが、そいつはただの少女ではない。
押し入れに積み重なっている色褪せた人形たちと同等の、30センチ未満の低身長。
目の下に不健康そうなクマを色濃く浮かべ、ぼろ布に穴を開けて頭から被っただけの、服とも呼べない服を着た姿。
?「ふんふ〜ん」
そして、ホコリまみれの場所でも居心地良さそうに笑顔を絶やさず、欠けた茶碗にゴハンをよそおい、足の折れたちゃぶ台の前で正座する、そんな異質な存在がただの少女のわけがない。
貧乏神「びんぼー、びんぼー、きんぐぼんび〜」
慎ましい量のゴハンをあっという間に食べ終わり、鼻歌まじりに頬に付いた米粒を指で摘んでペロリと食べる。
この少女こそ、ちまたで有名な貧乏神その人だった。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 19:31:58.66 ID:BKntfQyDO
貧乏神「ふぅ。ゴハンも食べ終わりましたし、おやすみしますか」
貧乏神は1人でつぶやくと、大きなあくびをした。
が、そこに珍客が訪れる。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 19:45:19.71 ID:BKntfQyDO
弁財天「まぁまぁ、冗談はこの程度にして……ほれ」
貧乏神よりもちょっとだけ身長の高い弁財天は、うなる貧乏神を押し留めるように左の手のひらを突き出しながら、右手で自分の豊満な胸の谷間から一枚の紙を取り出してみせた。
貧乏神「何です、これ?」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 20:08:05.91 ID:BKntfQyDO
貧乏神「そ、そもそもっ! なんで私が出ていかなければならないんですか!?」
弁財天「貧乏神なんだし、1つ場所に留まるなって事じゃないかなー?」
貧乏神「ここの部屋の住人さんは高齢のおじいさん1人です! 私がいてもいなくても年金しか収入が無いから影響がほとんど無いんですよ!」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 20:46:06.42 ID:BKntfQyDO
弁財天「よし、納得してくれたか!」
貧乏神「納得してません!」
弁財天「同じだよ、内容は説明してやったし、選択肢も1つしか残ってない、同じなんだよ」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage sage]
2012/05/01(火) 21:50:35.64 ID:BKntfQyDO
〜 街 〜
貧乏神「うぅ……」
トボトボと、ネオンきらめく街を裸足で歩いていく貧乏神だが霊体なので一般人には姿が見えない。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 22:19:32.34 ID:BKntfQyDO
貧乏神「……今日は野宿かな」
足は止めずにため息をつく。
ポツンと鼻先に水滴が落ちてきたのは、それと同時だった。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga saga]
2012/05/01(火) 22:59:12.86 ID:BKntfQyDO
貧乏神「うぅ……」
道無き道を掻き分けて進み続けるが、一向に雨宿りポイントは見つからない。
いつしか両足は泥まみれ、ちゃぶ台では雨を防ぎきれずに全身ずぶ濡れという有様だった。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/01(火) 23:14:47.67 ID:BKntfQyDO
十分後。
貧乏神「お、おおぉぉー」
ちゃぶ台を頭の上に掲げたまま、貧乏神は感嘆の声を上げた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/02(水) 00:14:28.73 ID:qsmW/jvDO
おもしろそうだから期待してる
がんばれ
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2012/05/02(水) 01:11:59.56 ID:3Mtxv+dIo
悪くない、掴みはまぁまあ。
と言うか、面白そうなので続けやがれください。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 01:35:05.77 ID:oG+WlUYDO
貧乏神「……失礼しまーす」
おそるおそるといった感じに断りながら、霊体になった貧乏神が洋館の扉を透過していく。
当然、明かりの消えた館からは咎める声も無く、外で降り続ける雨音だけが館の中に響いてくるのみであった。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 02:19:18.17 ID:oG+WlUYDO
廊下を歩き始めてすぐの事。
ふと貧乏神は首をかしげた。
貧乏神「あれ?」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2012/05/02(水) 06:02:12.08 ID:sJJLN/WTo
ボロ布の貫頭衣着てるゴキブリとか。
ミ・フェラリオの落ちぶれたようなイメージで想像してたのに( )
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/02(水) 08:44:54.16 ID:T63pMpeSO
ふむ期待
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/02(水) 10:03:53.02 ID:CB2EScYDO
紅葉かと思った
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/02(水) 13:47:31.96 ID:ZbSh22QIO
貧乏神とは分かってるな
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 19:17:15.89 ID:oG+WlUYDO
カサカサという擬音がこれほど無く似合う走り方によって、光の漏れる部屋との距離を一気に詰めた貧乏神。
そのまま木製のがっしりとした造りの扉に背中を押し当て、扉の隙間に向けて首を伸ばした。
貧乏神「扉の向こうに誰ぞいる、っと」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 21:44:44.68 ID:oG+WlUYDO
しかし、暖炉に火が灯っているという事は、この部屋には確実に誰かがいるということに他ならない。
人か妖怪か幽霊か、それはまだわからないがここは廃墟。
相手が悪霊の類ならば万が一もある。
貧乏神「……ごくり」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 22:04:42.87 ID:oG+WlUYDO
人形はイスの前部にちょこんと浅く腰を掛け、正面の暖炉で揺れている炎に碧い瞳を向けている。
そして、人形はしばらくそのまま揺りイスの上で揺られ続け、やがて眠くなってきたのか大きなアクビを──
貧乏神「って、動いてるぅっ!?」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 23:53:16.09 ID:oG+WlUYDO
人形「だれッ!?」
人形が大声と共に貧乏神の方へと勢いよく振り返った。
貧乏神「ひっ!?」
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