462:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:39:01.00 ID:zo/zVMQg0
「ごちそうさま」
「ん、はいよ」
463:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:40:00.30 ID:zo/zVMQg0
「ん、4000円ね」
「……え?」
464:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:42:17.13 ID:zo/zVMQg0
「ん、毎度」
店を出れば異世界に来たような喧騒に包まれ、昼間の眩しさもあって杏子は眉を顰める。
465:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:43:56.14 ID:zo/zVMQg0
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
身を竦ませる冬は終わり、人々が浮足立つ春が訪れた。
466:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:46:03.16 ID:zo/zVMQg0
「なんなんだ一体……」
「ねえ、これ見て」
467:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:48:31.46 ID:zo/zVMQg0
杏子が安堵の息を吐いて、その扉に手を掛ければ、まるで自分の家に帰って来た娘を迎えるように、あっさりと開いた。
468:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:49:51.71 ID:zo/zVMQg0
女は暖簾の奥に消える。
頭の中では昼と夜に食べたマミとの食事を思い出しては消し、何が出てくるのかを想像する。
469:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:51:45.29 ID:zo/zVMQg0
「ん、お待たせしました。C定食になります」
いつも以上に早い登場に、杏子は目を丸くする。
470:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:54:15.33 ID:zo/zVMQg0
「なんなんだよこれは! これが定食だって言うのかよ!」
しかし女は、悪びれる様子はなくカラっと答える。
471:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:55:11.48 ID:zo/zVMQg0
しっとりとしたスポンジが口の中でほぐれ、じわりと二つのクリームが融合する。
重過ぎない甘さが、疲れていた胃に負担を掛けないようにしっくり収まる。
472:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:56:48.27 ID:zo/zVMQg0
それはほんの数か月前。
仲直りというわけではなく、ただの昔馴染みとして情報を交換するために訪れた巴マミの家。
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