過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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869:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:19:25.24 ID:UgVSypyPo

仕方がないという表情を顔に浮かべ、あやせは振り返るとまた元の位置に戻って来た。
そのまま学生鞄で張り倒されるような気がして、俺は一瞬身構えた。

「……お兄さんも召し上がったんですよね? 新作のお菓子。
以下略



870:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:19:52.30 ID:UgVSypyPo

あやせは紫陽花を見つめたまま逡巡していたが、やがて口元に笑みを浮かべ……

「わたしもお兄さんと同じように、お菓子をご馳走になりに行っただけですよ。
 ……なーんて言い訳、今度ばかりは通用しそうにもないですよね?」
以下略



871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:20:19.15 ID:UgVSypyPo

「……それについては、否定はしねえけど……」

「それに、以前お姉さんとお話ししていたときのことなんですが、
 お兄さんは、昔は平凡でごく当たり前、退屈でも普通の日常が好きだったと、そう言ってました」
以下略



872:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:22:40.95 ID:UgVSypyPo

俺の言うことなんか聞いちゃいねえ。思い込みの世界に入り込んだあやせは天下無敵だ。

「ずっと続くと思っていた日常が、……ずっと信じていたものが、ある日を境に音を立てて壊れ始めた。
 そう感じているんじゃないでしょうか。
以下略



873:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:23:20.03 ID:UgVSypyPo

チケットを手に持ったまま、あやせは、自分の傘を無視して俺の傘に入ってくる。
あやせは同じ歳の女子中学生と比べても背が高い。今、俺の目の前にはあやせの顔がある。
ふわぁ〜と、あやせから良い香りが漂ってくるのがはっきりと分かる。

以下略



874:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:24:25.03 ID:UgVSypyPo

あやせがそこいらのナンパ野郎にホイホイついて行くなんて、絶対に有り得ねえ。
とはいっても、俺の脳ミソは勝手によからぬ妄想をし始める――というより、暴走!?
そんな俺を見透かしたように、あやせは天使のような笑顔で俺に言った。

以下略



875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:24:55.19 ID:UgVSypyPo

あやせが曲がり角を曲がってその姿が見えなくなるのを待って、俺は家へ向かって歩き出した。
どうせ俺は、あやせ蜘蛛(顔は天使で腹が黒い)に捕まった情けない昆虫さ。
それにしても、麻奈実は俺のことが好きなんだと言ったときの、あやせの苦しそうな表情は一体何なのか。

以下略



876:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:25:22.93 ID:UgVSypyPo

「それじゃあこれは、わたしが預かって置きますね」

「ちょ、ちょっと待てっての、そりゃどういうことなんだよ!」

以下略



877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:26:00.50 ID:UgVSypyPo

「何か失礼なことを考えていませんか?」

「いっ、いや、もしかしたらあやせに殴られるんじゃねえかと――」

以下略



878:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:27:26.75 ID:UgVSypyPo

 ☆

あやせにバイト代を取り上げられて、早くも一週間が経過した。
朝起きると降っていた雨も俺が家を出る頃には上がり、駅に到着したときには晴れ間さえ覗いていた。
以下略



879:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/12(金) 19:33:46.64 ID:TGHZHYvIO
乙!
力作だから完成したのを読んでみたいな。


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