179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:53:13.20 ID:iCwr9AuZo
駅を出たユキの進んでいく方向はどこまでもあたしの帰宅する道と同じだった。
見慣れた住宅街の土曜日の午後の曇り空の下をユキは歩いていく。このままいったら五
分くらいであたしの家に着いてしまう。マジで同じ住宅街に住んでいたのか。
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:54:07.10 ID:iCwr9AuZo
この調子ならあたしが何を言ってもユキは信用してくれそうだった。
あたしは最初に考えたとおりユキと話をしようと思った。ただ、住宅地だからこの辺に
はカフェもファミレスもない。五分くらい歩いたところに児童公園があるけどそんなとこ
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:54:55.39 ID:iCwr9AuZo
「あの時助けてくれた人だったんですね」
意外なことにユキはあまり驚いた様子はなかった。世間知らずの子たちにとっては死ぬ
ほど恐い思いをしたはずなのに、その様子は怒ったり恐がったりというよりはむしろ何か
に驚いている様子だった。「びっくりしたなあ。これって偶然ですか」
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:57:32.29 ID:iCwr9AuZo
「ナオトさんにお願いしてメールのアドレスも聞いちゃいました」
ユキは聞かれもしないのに兄貴に会った話を続けた。わずか数分の間あの兄貴に会った
り兄貴のメアドを聞いたくらいでここまで嬉しいものなのか。あたしには理解できなかったけ
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:58:03.39 ID:iCwr9AuZo
まあその真偽はともかく、あたしは簡単に諦めるつもりはなかった。兄貴なんか大嫌い
だ。パパとママが認めてくれるかどうかなんかどうでもいいけど、そもそも兄貴みたいな
優柔不断で根暗の男と付き合うなんて生理的に受け付けない。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:58:31.97 ID:iCwr9AuZo
「でもお兄さんは奈緒ちゃんと付き合ったばかりですし」
もう一歩だ。そしてあまり無理をしすぎてもいけない。あたしはユキに笑いかけた。
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/09/24(月) 23:59:47.81 ID:iCwr9AuZo
今日はここまで
お付き合いありがとうございました
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/25(火) 00:12:07.34 ID:wYA4Z93c0
お疲れ様ー
無意識に嫉妬する妹かわいい
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/25(火) 00:54:03.47 ID:5k+r6ycIO
乙
最初は登場人物に固有名詞で名前がついてるのはちょっと…と思ってたけど、読んでるうちに付けて正解だと思った
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[age]
2012/09/25(火) 02:25:26.76 ID:U9aCITffo
固有名詞がなかったら、とてつもなく寒いことになってた(断言)
面白いよ面白い続き待ってます。
189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/27(木) 00:12:34.86 ID:Ni0AA1zQo
その晩僕が帰宅すると珍しく玲子叔母さんがリビングのソファに座って妹とお喋りして
いた。
「叔母さんお久しぶりです」
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