過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:46:55.69 ID:rI6aBzuyo

 僕は先輩と軽く話してからユニフォームに着替えて出勤した。夏休みの予定の大半はバイトで埋まっている。
 もちろん学生バイトの給料なんてたかが知れているし、何かの足しになるわけでもない。
 それでも僕は早急に金が欲しかった。どれだけ少なかろうと、ないよりはましだ。
 
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:48:02.73 ID:rI6aBzuyo




「それ、ドッペルゲンガーって奴?」
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:48:38.54 ID:rI6aBzuyo

 僕は彼女と話をする機会が多かった。シフトが重なることが多いせいだ。
 
 僕は彼女にいろいろな相談をしていた。
 彼女は話を聞くのも相談に乗るのもうまかった。適度に歳が離れていたし、適度に歳が近かった。
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:49:09.57 ID:rI6aBzuyo

「……疲れてるの?」
 
 案の定、先輩からの精神の不調を疑われた。
 けれど、体は至って健康だし、休息も十分にとっている。
以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:49:35.74 ID:rI6aBzuyo



 家に帰ると、母が姪と一緒にドラマを見ていた。僕が「ただいま」というと、母は「早かったわね」と答えた。
 うん、と頷いて冷蔵庫を覗く。作り置きの麦茶が入っていた。コップに注ぐと、母が自分の分を要求する。
以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:50:08.74 ID:rI6aBzuyo

 ふと、また嫌な感覚が広がった。ざわざわとした胸騒ぎ。不安が胸の奥に詰まる。
 違和感のようなものだ。僕は自分の行動やさっきの会話におかしなところがなかったかを探したが、すぐには分からなかった。
 コップの中の麦茶を飲み干した時、さきほどの母の言葉を不意に思い出した。

以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:51:02.82 ID:rI6aBzuyo

◇五



以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:52:15.76 ID:rI6aBzuyo

 だが、弦がこんなふうに切れている以上、人為的に切断されたのだろう。
 よく見れば、ベッドの上にはニッパーが放り出されていた。
 僕がいつも使っているニッパー。デスクの引き出しの中に入れてある。

以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:52:49.86 ID:rI6aBzuyo

 もし、家族の仕業でないとしたら。

『早かったわね』

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:53:25.36 ID:rI6aBzuyo

 バカバカしい考えだ。何よりもバカバカしいのは、そうとでも考えないかぎり、こんなことをする理由が分からないということだ。
 単なる嫌がらせとしてはリスクが多すぎるし、仮に嫌がらせだとするなら、なぜ自宅に忍び込むようなことまでするのか。
 こういった類の行為は、大抵の場合所属集団内で行われるものがエスカレートっした場合に発生する。
 学校、職場。――どちらでも、嫌がらせを受けた記憶はない。
以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:54:12.82 ID:rI6aBzuyo

「お兄ちゃん?」

 と声がして、僕は振りかえった。部屋の入口に姪が立っていた。

以下略



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