過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:52:15.76 ID:rI6aBzuyo

 だが、弦がこんなふうに切れている以上、人為的に切断されたのだろう。
 よく見れば、ベッドの上にはニッパーが放り出されていた。
 僕がいつも使っているニッパー。デスクの引き出しの中に入れてある。

以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:52:49.86 ID:rI6aBzuyo

 もし、家族の仕業でないとしたら。

『早かったわね』

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:53:25.36 ID:rI6aBzuyo

 バカバカしい考えだ。何よりもバカバカしいのは、そうとでも考えないかぎり、こんなことをする理由が分からないということだ。
 単なる嫌がらせとしてはリスクが多すぎるし、仮に嫌がらせだとするなら、なぜ自宅に忍び込むようなことまでするのか。
 こういった類の行為は、大抵の場合所属集団内で行われるものがエスカレートっした場合に発生する。
 学校、職場。――どちらでも、嫌がらせを受けた記憶はない。
以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:54:12.82 ID:rI6aBzuyo

「お兄ちゃん?」

 と声がして、僕は振りかえった。部屋の入口に姪が立っていた。

以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:55:03.98 ID:rI6aBzuyo

 僕はできるだけ明るい声音で言った。

「いや、ギターの弦を張り替えてただけだよ。すぐ下にいくから」

以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:57:11.60 ID:rI6aBzuyo

 僕はそのメモを手に取る。拍子抜けしたような、肩透かしを食らったような気持ちになった。
 そこには何も書かれていなかった。白紙。

 そしてすぐに、その白紙のメモが、ひどくおぞましいものに思えた。
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:57:38.64 ID:rI6aBzuyo
19-12 扉が → 扉に鍵が

つづく


45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/13(木) 06:41:07.89 ID:j5dX190bo

また楽しみにしています


46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/13(木) 17:27:07.01 ID:qpP07fyYo

◇六

 
 胸騒ぎに反して、すぐに何か具体的な異変が起こることはなかった。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/13(木) 17:27:33.48 ID:qpP07fyYo

 八月六日は近所で花火大会があった。僕は夕方過ぎに、姪とふたりで街に出かけた。
 近所からバスをつかって会場を目指す。浴衣姿の若い女が何人か乗っていた。
 ラフな格好をした男も何人かいた。親子が連れ立っている姿もあった。

以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/13(木) 17:28:03.56 ID:qpP07fyYo

 適当な場所でバスを降り、会場へと徒歩で向かう。普段は寂れている道も、歩いている人が多かった。
 僕は既に疲れていたが、姪に悟られぬよう、表情には出さないように心掛けた。
 雑踏も喧噪も苦手だった。だからといって静かな場所が好きかと言うと、そうでもない。

以下略



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