過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:34:18.12 ID:WjAemYY10
再び話があると、魔女退治にでるほむらはネミッサを連れて外に出た。やや夕暮れが近づく。さすがにネミッサが戦闘に参加できるとは思えないが、少し歩き体調を見たいと半ばマミを説得し外出許可をもらった。
「ホント、甲斐甲斐しいわね。助けてよかった。友達になれて、よかった」
朗らかに笑うネミッサ。吊るした腕はまだ本調子ではないが、すぐに元通りになるだろう。マミの願いは命をつなぎとめること。腕をつなぐ治療の魔法はお手の物なのだろう。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:35:37.94 ID:WjAemYY10
これでよかったのだろうか。ほむらは再び考える。
ほむらの本当の固有魔法は時間停止ではなく、時間の巻き戻し。病室でネミッサと会ったあの時間から一ヶ月後に時間を巻き戻してあの時間に戻る。その繰り返す一ヶ月を途方も無い回数続けているのがほむらの魔法少女としての人生だった。願いはただひとつ『鹿目まどかを救う』ことだけ。
病気がちで引っ込み思案。根暗な眼鏡のお下げ髪。心臓病の治療のためやってきた見滝原で一人暮らし。
ただでさえ入退院を繰り返し友達のいない彼女が、そんな状態で転校生として馴染めるであろうか。残念ながらそれは無理だった。
鹿目まどかがいなければ。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:37:07.70 ID:WjAemYY10
ネミッサはその場に立ちすくむ。ほむらの信頼を失ったと解釈した。これからどうすればいい。どうすれば自分の願いを叶えることができるのか。ネミッサはそれを自問自答し続けた。だが、答えはすぐに見つからない。マミがほむらを疑ったように、ほむらもネミッサを疑っている。ただ違うことは、一度信頼したものが裏切られたのだ。修復はほとんど不可能だろう。
途方に暮れた。その場で力なくしゃがみ込む。残った左手で頭を抱える。
帰りの遅くなったことを心配したマミが迎えに来るまで、ネミッサはそこで放心していた。
真っ白。ネミッサの心のなかだ。ほむらの信を失ったことが、こんなにつらいとは思わなかった。きっとほむらは、皆の信頼を失った時、これと同じかそれ以上の喪失感を感じたんだろう。ぼんやりとそんなことを考えるだけで、次の行動が考えられない。
以下略
60
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:37:56.91 ID:WjAemYY10
「ねえ、貴女が苦しんでいるのはわかるの。なぜ、私を助けたのか。なぜ、魔法少女を増やしたくないのか。なぜ、貴女が進んで魔法少女の運命に飛び込んだのか。ちゃんと、苦しむほどの意味があるんでしょう?」
マミの優しさが沁みる。説明できないもどかしさゆえその優しさが苦しい。
自分のことなら話せるかもしれない。そう思ってしまったのはその苦しさ故か。
以下略
61
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:39:25.91 ID:WjAemYY10
さらに翌朝、一悶着あった。
「ちょっと、待ちなさい。一緒に行くわよ。仲直りしなさい。一緒に謝ってあげるから」
「イヤよ、それじゃアタシが悪いみたいじゃない」
以下略
62
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:40:41.12 ID:WjAemYY10
放課後になり、ネミッサは中学の校門そばにいた。ほむらと顔を合わせるのは心苦しいが、さやかやまどかと会う必要がある。だが、すぐに思い返したのは、向こうが勝手に警戒しているだけだ。信じてもらえないのは仕方ないが、自分の目的はほむらでなくてもマミたちを通じて達成することは可能だ。そう割り切ることにして腹を決めた。そうするとなんとも穏やかに待ち伏せが出来る。
(サヤカちゃんやマドカちゃんの心象は悪くなりそうだけどね)
ため息をすると、三人が現れる。当然といえば当然だが、ほむらもいる。だがここで怯んでいるわけにも行かない。三人に声をかける。
以下略
63
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:41:21.72 ID:WjAemYY10
皆が仲良いことが嬉しいのか上機嫌のまどかと、それとは対照的なさやかの表情。いつもと真逆の状態で下校する。気になってまどかにネミッサが問う。
「マドカちゃん、サヤカちゃん何かあったの?」
「え? あ……、うん、昨日上条くんのお見舞いの後から……ちょっとへんなんだ」
以下略
64
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:42:33.47 ID:WjAemYY10
「でさ、私魔法少女になろうかと思ってるんだ」
ファミレスでの軽食中、思いつめたような言い方でさやかが切り出した。願いはやはりバイオリニストの手だという。ネミッサは頭を抱えた。そんな宣言のために元気になって欲しかったわけじゃない。いっそ魔法少女の真実を洗いざらいぶちまけてやろうかと思ったが、ほむらに止められていては言い出せない。また自分もそんなことは言いたくない。あれは重すぎる。
「……決心は堅いのね」
以下略
65
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:43:06.12 ID:WjAemYY10
話が終わったところで、まどかがやっと大きく息を吐く。穏やかな話し合いではあったが、緊張感からまるで口を挟めなかった。それに気づいて、ネミッサはフォローする。
「マドカちゃんは、しないんだよね?」
「うん……みんなには悪いけど、私は……」
以下略
66
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:44:13.70 ID:WjAemYY10
おごりでだいぶ散財したネミッサは二人を見送った後、マミ宅に戻った。
「ただいまー」
「おかえりなさい。遅かったわね」
以下略
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