207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:37:46.51 ID:ctdSSd06o
僕は奈緒から告白されたことを洗いざらい明日香に話した。それから俯いたまま身動き
すらしない明日香に話しかけた。
「奈緒は僕が実の兄だと知っても僕のことが好きだって、僕と恋人同士でいたいって言っ
208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:38:31.09 ID:ctdSSd06o
別にいつものことだから驚きもしなかったけど、土曜日だというのに自宅は真っ暗なま
ま夜の底に沈んでいた。
家に入ってリビングの明かりをつけるとようやく少しだけ家が生命を宿したような感じ
209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:39:04.36 ID:ctdSSd06o
あのときパパはあたしの提案を受け入れてくれたのだと思っていた。あの夜、パパはも
うあたしに手を出そうともせずに自分の書斎に閉じこもってしまった。寝る前にそっとド
アを少し開いてパパの部屋の中を眺めた。パパは写真立てを手に持ってじっとその中の写
真を眺めていた。その写真のことはよく知っていた。あたしが物心ついたときからパパの
210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:39:47.13 ID:ctdSSd06o
「本当に大切な相手を傷つけてまで自分の想いを遂げるべきではないよ」
そう言ったパパの言葉にあたしは凍りついたた。パパは再び過去の過ちを繰り返そうと
しているのだ。
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/20(月) 22:40:15.98 ID:ctdSSd06o
今日は以上です
次回は女神投下後になる予定です
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/20(月) 23:48:13.35 ID:7Ob32LnDO
乙
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/21(火) 07:12:14.31 ID:NTnfkKcqo
乙
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 22:40:45.76 ID:6lUXOLOBo
あたしが麻紀おばさんを訪ねたことは理由のないことではなかった。自分の世界が完全
に崩壊してしまったことを理解した今、どういうわけかあたしは今までよりも冷静にいろ
いろと考えることができた。そう、まるでそっち系のドラッグを静注した後のように意識
が澄み渡っていた。パパの真意を完全に理解したことに対して、ショックを受けたことに
215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 22:41:30.21 ID:6lUXOLOBo
あたしは奈緒の綺麗な彩りのお弁当がうらやましかった。一緒にお昼ご飯を食べている
ときにあたしは奈緒に自分の昼食についての不満を漏らしたことがあった。
今でもよく覚えているのだけれど、そのとき奈緒は知り合って初めて笑ったのだ。
216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 22:42:50.98 ID:6lUXOLOBo
「・・・・・・・あたしママなんて嫌い」
俯いたままで奈緒が言った。
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