43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:01:52.51 ID:y8XKonFyo
第一話
神崎蘭子は夢見がちな少女である。
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2013/03/03(日) 23:03:06.99 ID:y8XKonFyo
「これも我が宿命」
思わず目を細めながら、蘭子はそう応じる。
そんなはずはないのに、二人の周囲はきらきらと輝いていて、彼女の目をくらませた。
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2013/03/03(日) 23:04:29.66 ID:y8XKonFyo
「それにしても、呪いの刀って、今時どうなんだろ……」
「真のまがまがしき呪物が運び込まれたと聞く」
「え? ほんと?」
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2013/03/03(日) 23:05:59.94 ID:y8XKonFyo
「お、俺、見てきます!」
若いアシスタントディレクターがそう言ってただ一人駆けだしたのは、周囲からの無言の圧力が故か。
あるいは、無謀な正義感と責任感からか。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:07:24.25 ID:y8XKonFyo
「きゃーっ!」
新たな悲鳴が、ごく近くであがった。
明らかに室内だ。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:08:17.63 ID:y8XKonFyo
どす、とすん、と二つ音がした。
一つは首を抱えたままの体が倒れる音。
もう一つは女の首が床に落ちた音である。そのどちらからも大量の血潮がほとばしり、床を汚していく。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:09:17.43 ID:y8XKonFyo
場違いなほど落ち着いた声が、すぐ傍でする。
先輩アイドルたちののんきなやりとりに、蘭子はあっけにとられていた。
「しかたないか」
「しかたないね」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:10:45.36 ID:y8XKonFyo
そうしてすら、二人の挑戦の叫びは彼女の頭をぐらぐらと揺らし、体そのものを震わせた。
なによりも空気を、そして、スタジオ全体をそれは揺り動かしていた。
蘭子自身はうかがい知れぬことであるが、その時点で生きていた人間は、その全てが吠え声で失神している。
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:11:56.64 ID:y8XKonFyo
もちろん、響たちにそれにつきあう義理はない。
彼女たちは、即座に行動に移った。
白銀の狼が男に向けて突進する。
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:12:48.42 ID:y8XKonFyo
ぽすん、と蘭子の体が床に落ちる。
完全に腰が抜けてしまっていた。
意識のほうも、だいぶ飛んでしまっている。
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:13:43.12 ID:y8XKonFyo
心配げにしていた響と美希は思わず顔を見あわせ、そして、穏やかな、しかし、どこか寂しそうな笑みを浮かべた。
「私、響さんたちが、ええっと……その、し、知らなくて!」
蘭子は胸につかえている言葉たちをなんとかしてはき出そうとわたわたしている。
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