過去ログ - 高垣楓「ホワイトデーのおくりもの」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:39:43.06 ID:VMr1FUOo0
  
 いらっしゃいませ。 
 一名様で? 
  
 いいえ、先に来ているはずなんですが。とだけ伝えて店内を見回す。 
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2013/03/18(月) 11:40:45.86 ID:VMr1FUOo0
  
 『すみません、今日はもう』 
 少しだけ悲しそうな顔をして立ち上がる。 
  
 すみません、楓さん。 
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2013/03/18(月) 11:41:44.96 ID:VMr1FUOo0
  
 口の中でゆっくり溶けて、ほろ苦くて、けれど、ほのかな甘みが広がって。 
 きっと俺の趣味が分からないから、悩んで作ってくれていたのだろう。 
  
 丁寧なラッピング、中に入った1枚のメモ。 
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2013/03/18(月) 11:42:43.35 ID:VMr1FUOo0
  
 ああ、どうして、あんな態度をとってしまったんだろう。 
 プロデューサー、顔も赤くて、息も切れていて。 
 きっと走ってきてくれていたのに。 
  
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2013/03/18(月) 11:43:20.91 ID:VMr1FUOo0
  
 『高垣楓です…私、自己紹介とかってあまり、得意じゃなくて』 
 『…こんな時、何を話せばいいのか』 
 『あの、頑張りますので。プロデュース、よろしくお願いします』 
  
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2013/03/18(月) 11:44:15.68 ID:VMr1FUOo0
  
 昔からそうでした。 
 人との距離感がつかめない…というか。 
 だから、自然に人に距離を置いてしまうようになってしまって。 
  
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:45:24.07 ID:VMr1FUOo0
  
 今日もお仕事がある。けれど、プロデューサーと会うことはない。 
 時間の都合で、他の娘のプロデュースの都合で。 
  
 おはようございます。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:46:39.67 ID:VMr1FUOo0
  
 デビューして日が浅い私でしたが、1人でお仕事も出来ました。 
 ええと、言い方が正しくないかもしれません。 
 プロデューサーのおかげで、1人で出来るようになった仕事がある、でしょうか。 
  
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:48:52.45 ID:VMr1FUOo0
  
 夜道は少しだけ怖かったです。 
 街の明かりも、月の光だってあったのに。 
 寂しさという不安感が、怖さを助長させていました。 
  
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:50:41.26 ID:VMr1FUOo0
  
 眩しい。 
 ああ、もう、朝。 
 お酒を飲んで寝てしまったんだっけ。 
  
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:51:49.38 ID:VMr1FUOo0
  
 朝はお仕事であまり手をつけていなかった家事をしました。 
 昨日飲んだお酒の缶がテーブルの上をいくつか転がっていました。 
 洗濯物もあったはず。今日は少しだけあたたかい。早めに干してしまおうかな。 
  
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