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2013/03/25(月) 22:02:47.67 ID:d5tGG4Gs0
この一帯はもう電気など通ってはいないのに。
放送室のテストスピーカーからマイクが拾った声が流れだす。
ひっ。女性スタッフが出した恐怖の声。
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2013/03/25(月) 22:03:30.62 ID:d5tGG4Gs0
早く出ろ!
霊媒師がそう叫んで放送室に駆け込んで無理やりスタッフを引きずり出す。
あとはあの番組プロデューサーだけだ。あとひとり。
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2013/03/25(月) 22:04:51.62 ID:d5tGG4Gs0
やばいですよ、ここ。カメラマンが俺に話しかける。
ここ、他の人からも止めておけって言われてたんです。すみません。
『いえ、大丈夫です』
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2013/03/25(月) 22:05:52.24 ID:HMg7ZGXXo
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白坂小梅(13)
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2013/03/25(月) 22:06:14.91 ID:d5tGG4Gs0
何だよこれ。どんどん手形が増えていく。
いや。もう、いや。なんでこんなことに。女性スタッフは泣き崩れている。
手形でぼやける視界の中、確実にハンドルを切っていく。ここで死ぬのはごめんだ。
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2013/03/25(月) 22:06:51.76 ID:d5tGG4Gs0
後はこの道を直進するだけで街に着く。もう大丈夫だ。
ああ、ここはどこだ?もう引き返したのか。
調子に乗るべきではなかったな。すまない。ああ。彼がそう言って謝る。
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2013/03/25(月) 22:07:40.95 ID:d5tGG4Gs0
いきなり異常なまでの力でハンドルを奪われる。
彼は力いっぱいアクセルを踏み、どんどん加速していく。
俺は立っている事も出来ず、ふらつきよろめき、車両の後方へと放り出される。
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2013/03/25(月) 22:08:35.06 ID:d5tGG4Gs0
気がつくと知らない部屋にいた。病室と認識するまでに時間はかからなかった。
隣で目を覚ましたのを確認したちひろさんが泣いて事務所に報告していた。
プロデューサーさんが目を覚ましました、と。
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2013/03/25(月) 22:09:35.21 ID:d5tGG4Gs0
「わ、わたし…小学校に、あがるくらい、から…はっきり、みえるようになって…」
「もっと小さいころからも、何か…みえてた、みたいで…」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:10:37.20 ID:d5tGG4Gs0
「あの子は…私を、黒いのから…守って、くれるの…」
「アイドルに、なるまで…友達、あの子しか…居なかった」
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2013/03/25(月) 22:11:50.11 ID:d5tGG4Gs0
『………』
『そんなわけ、ないだろ』
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