過去ログ - 菫「荒野より君に告ぐ」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/02(木) 11:40:21.34 ID:kADqiJRHo
菫「冷たい別れ」の続きです。

残酷な描写あり。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:41:55.84 ID:kADqiJRHo
  
照(これは……!)

エントランスに駆けつけた照は目を疑った。
大階段の踊り場は瓦礫の山と化し、半壊した騎士像へ天井の一部から日の光が差していた。これだけ瓦解しているのに、三階建ての龍門渕邸の構造で邸全体が崩れなかったのは奇跡だと思った。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:42:51.88 ID:kADqiJRHo
 
ハギヨシ「衣様――!」

照「待て!」

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:43:50.36 ID:kADqiJRHo
 
◇◆◇◆◇◆

純「衣様、こちらへ!」

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:45:23.76 ID:kADqiJRHo
 
衣「解……除」

それがこの世界で発した衣の最後の言葉で、うなだれると誰のかもわからない手首を落とした。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:46:53.09 ID:kADqiJRHo
 
人殺しなんて一生自分には関係ないと思ってた。
それでもやらなくちゃならない。
目の前には完全に停止した咲がいる。まじまじと見ると菫の知っている咲よりも少しだけ幼い。
思い出らしいものはなく、元いた世界で三度しか会ったことはない。交わした会話も片手で数えられるほど。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:48:18.10 ID:kADqiJRHo
 
二人が一足一刀の前合いとなったとき、咲の胸元から木の根が生え、純の首元へ巻きつきそして締め上げたのだ。
自立できなくなった純の肉体は、踵を立てながら半回転して受身もとらず倒れこんだ。

咲「――解析から解除にここまで時間がかかるとは思いませんでした」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:49:27.74 ID:kADqiJRHo
咲「仕方ありませんでした」

ハギヨシ「何を、」

咲「作戦上の犠牲です。そもそもあなた方は排除命令が出ているので問題ありませんが」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:50:29.89 ID:kADqiJRHo
 
照「誰が」

菫「…………咲」

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:51:50.85 ID:kADqiJRHo
 
照「足手まといになる。お前も行け、菫」

菫「駄目だそんなの」

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:52:39.57 ID:kADqiJRHo
 
菫「照……」

ハギヨシ「急ぎましょう」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:53:10.58 ID:kADqiJRHo
 
ギュ

宥「あぅ」

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:54:09.63 ID:kADqiJRHo
 
穴は深く、地下牢まで続いていた。
先に落ちていった咲とさほど時間を置いて降りたわけでもないのに、照が着地したときには六感で捉えられる物影はどこにもいなかった。
微かな日光で、周囲の視界はそれほど悪くはないが、一旦奥まで進んでしまうと追うことは難しい。
六感に映らない生物は基本ありえない。それを可能とする方法の一つに、先ほどのハギヨシが行った攻性迷彩でこちらの感覚を誤魔化すという幻術魔法がある。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:56:28.11 ID:kADqiJRHo
 
照「それでは面白くないだろう」

咲「……私がですか?」

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:57:48.56 ID:kADqiJRHo
 
照「そうだな。軍のトップの人間であろうと気持ちの揺らぎは存在するようだ」

咲「……」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 11:59:05.43 ID:kADqiJRHo
 
◇◆◇◆◇◆

隠し穴を抜け、一階の調理場裏へ出る。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:01:26.64 ID:kADqiJRHo
 
菫「卑怯だよ……。そんな目で、言われたら……」

宥「……」

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:02:39.44 ID:kADqiJRHo
 
◇◆◇◆◇◆

妹の体を前にしてここまで残酷になれたのは二日前の小蒔が行った幻術魔法のおかげだろう。
覚悟は人を変える。死別した妹の幻想を目にして、嗚咽を上げ女々しく涙を流す照とは違った。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:03:58.41 ID:kADqiJRHo
 
炭化した右頬を懸命に動かし、咲が詠唱する。
照は防衛本能に従い、まばたきよりも早く咲から距離を置いた。どこから攻撃されてもおかしくない。『来い』だけではどの系統の魔法かもわからず、カウンター型の超攻魔法の線もありうる。
六感を張り巡らせてる間、他の五感を咲へ向け続ける。そして、地下牢全体が軋み上がり、咲がうずくまるすぐ後ろの壁から根が突き出た。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:05:16.18 ID:kADqiJRHo
 
龍門渕邸目下、垂直にそびえる河蝕崖の腹が破裂した。
ミミズのようにうごめく木の根と、それに足と首を掴まれた照が勢いよく飛び出す。
赤魔法と宝剣の庇護に耐えられなくなった木の根は、崖下へ照を投げ飛ばそうとした。
振りかぶるように木の根が大きく曲がった瞬間、照は、周りとは違う不自然に太くなった木の根を見つけた。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:05:54.07 ID:kADqiJRHo
 
◇◆◇◆◇◆
ガサガサ

菫「宥は飛べないのか?」
以下略



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