27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:04:43.93 ID:6wN2+WcTo
  
  しばらく何も言わずにいた。ベッドはシングルだったから、二人で眠るには少し狭い。 
  でも、無理ではない。わたしたちはとても小柄だったから。 
  
 「……夢」 
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:05:11.74 ID:6wN2+WcTo
  
 「シラユキ、わたしは」 
  
  途中まで言葉にしてから、わたしは急に不安になる。  
  彼女は不審そうに眉を寄せた。 
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:05:39.37 ID:6wN2+WcTo
  
 「ごめんなさい」 
   
  耐えきれなくなって、わたしは謝った。 
  シラユキはほっとしたような、困ったような顔になった。 
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:06:32.45 ID:6wN2+WcTo
  
 ◇ 
  
  いつの間にか眠りに落ちたわたしは、夢を見た。 
  彼の声は聞こえない。いつもの夢ではなかった。 
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/19(日) 10:07:12.80 ID:6wN2+WcTo
 つづく 
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/19(日) 11:23:15.84 ID:b05PfY/AO
 乙。雰囲気いいね 
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/19(日) 17:11:07.80 ID:B8pil6sAO
 続けてください 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:19:36.63 ID:kVieGjdco
  
 ◇ 
  
  目が覚めたとき、シラユキの姿は既になかった。 
  起き抜けの気怠い気分のまま、窓の外から変わらず聞こえる雨の音に、しばらく耳を傾ける。 
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:20:03.91 ID:kVieGjdco
  
  自分の部屋に戻ると、やはりいつもとは何かが違う気がする。 
  何が、違うんだろう? 
   
  窓や扉の形が変わっていたわけでもない。 
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:21:12.82 ID:kVieGjdco
  
  本の冊数は三冊だった。わざわざ数え直さなくても、見ただけで分かる。 
  念のため、一冊一冊、しっかりと手で確認してみた。三冊だ。 
  思わず机の周りを見回す。枕元も床も、全部。 
  
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:21:43.84 ID:kVieGjdco
  
 ◇ 
  
  朝食をとったあと、自室に戻って本を読もうとしたが、気分が乗らなかった。  
  毎日、同じことの繰り返し。何も変わったことは起こらない。 
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