過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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463:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:01.71 ID:x3h76RAXo

 輪の中心の地面は大きな円形に高く盛り上がっている。
 ちょうど人々の胸のあたりの高さで、奥から昇るための階段があるらしい。

 その中央には、背の高い男性二人に捕らえられた、ツキの姿が見えた。
以下略



464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:45.47 ID:x3h76RAXo

 静寂が広場を包む。
 ほかの人々に遅れて、ツキが顔をあげ、わたしを睨んだ。
 
 思わず、息を呑む。
以下略



465:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:05:32.28 ID:x3h76RAXo

「御嬢さん」

 と声がした。聞き覚えのある声。わたしはその声に、強い抵抗を覚えた。

以下略



466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:06:04.56 ID:x3h76RAXo

 男は首をかしげた。心底不思議そうな顔。

「ツキ」

以下略



467:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:07:49.58 ID:x3h76RAXo

 わたしは縋るような気持ちでシラユキを見た。でも、彼女は何も言わない。
 段々と焦ってきて、わたしは彼女の服を何度か引っ張った。

 それでようやく、彼女はわたしの方を見てくれた。
以下略



468:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:09:38.97 ID:x3h76RAXo

 ツキはわたしをじっと見つめた。

「待って」

以下略



469:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:10:09.64 ID:x3h76RAXo

「どうされました?」

 と村長は言った。わたしは一度シラユキを見た。彼女はわたしを見ているだけだった。
 ツキもまた、何も言わない。何も言わず、こちらを見ている。
以下略



470:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:10:35.90 ID:x3h76RAXo

「……何も、殺すことはないんじゃないの?」

「決まりです」

以下略



471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:11:43.72 ID:x3h76RAXo

「でもわたしは、彼を助けたいの」

「"助けたい"?」

以下略



472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:12:37.07 ID:x3h76RAXo

 ざわめきの中で、わたしは段々と自分が何をしているのかも分からなくなっていく。
 いったいここで何をしていたのだっけ?
 ただ人々の視線がわたしに突き刺さるようで……耐え難く、苦痛だった。

以下略



473:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:13:08.46 ID:x3h76RAXo

「そういう事情は分かっているつもりですよ。ですけど、どうせ殺されるなら女の子に殺されたい」

 村長は奇妙そうに首をかしげた。

以下略



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