602:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 11:43:10.75 ID:aM9Bc42DO
毎朝の楽しみであったこのSSも、とうとう次回で終わりですか…
貴重なオリジナルSSだからという理由で読み始め、その世界観に引き込まれていきました。
止まない雨は無い、雨が止んだ先にあるのは、希望か、絶望か…
603:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 12:32:44.47 ID:ho/rHyDqO
きっかけは、理屈なんかより単純なものなんだろうね
604:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/24(月) 22:30:36.52 ID:16/6y2xAO
更新乙
ここ最近一番楽しみにさせてもらってたから寂しくなるな
605:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/25(火) 01:09:59.48 ID:cie4angLo
おつー
次で最後かぁ 楽しく読めたが終わるのは寂しいな
606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:15:01.41 ID:tPA7g4lio
◇
曖昧な意識のまま、わたしはふと気付けば、暗闇の中にいた。
607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:16:16.23 ID:tPA7g4lio
雨の匂い。肌に触れる濡れた質感。痛みであることを忘れそうになるほどの強い痛み。
全身の感覚が鋭敏になっている気がした。
でも、むしろ逆だったのだろう。鈍麻していたのだ。鋭いのは痛覚だけだった。
608:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:17:29.97 ID:tPA7g4lio
まだ景色は暗闇だ。
なぜだろう。視界を覆っているものは、いったいなんなのだろう。
暗闇の中で、誰かの声が聞こえた気がした。
609:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:19:00.16 ID:tPA7g4lio
開けろ、とわたしは思った。
開けるんだ。そうすることでしか始まらない。
それは少し、怖いことでもあった。
610:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:21:28.29 ID:tPA7g4lio
遠くの空は月の明かりで微かに光をまとっているのに、近くに居たその人は、ほとんど真っ黒に見えた。
でも、それが誰なのか、わたしにはすぐに分かった。
だって彼は、わたしの名前を、今にも泣き出しそうな声で呼んでいたのだ。
611:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:22:37.51 ID:tPA7g4lio
言葉も出せない様子で頷くと、彼はそのまま身体を動かし、わたしの腕を引きずって、水流から引き離そうとした。
わたしはそれに従って、自分の身体をどうにか持ち上げる。水に濡れた衣服が重く、雨は痛いほど強い。
身体を動かすたびに手足に痛みが走った。打ったのか切ったのか擦ったのか、分からない。
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