71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:11:50.32 ID:vaaX809Zo
  
  でも、もしすべてがわたしの気のせいじゃないなら、おかしなことがあったのはここだけじゃない。 
  わたしの部屋、それから階段、この地下。 
  そのすべてに現れた何者かがいるとするなら、その人物は屋敷を自由に闊歩していることになる。 
  
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:14:45.19 ID:vaaX809Zo
  
 「部屋で休んでいた方が……。鍵だって一応ありますし」 
  
 「その部屋に、誰かがいるかもしれないんだってば」 
  
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:16:22.37 ID:vaaX809Zo
  
  わたしは、あのときの声は村長だったのか、と少し場違いな気持ちになった。 
  空き巣? わたしは少し拍子抜けしたような気分になる。 
  でも、たしかに考えてみればそうだ。もし屋敷に忍び込んだのが空き巣なのだとしたら、納得できる。 
  
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:17:13.24 ID:vaaX809Zo
  
 「その空き巣って、どんな話だったの?」 
  
 「どんな、というと?」 
  
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:18:58.09 ID:vaaX809Zo
  
 「でも、何も盗まれてはいなかったそうです」 
  
 「盗まれていない?」 
  
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:21:14.91 ID:vaaX809Zo
  
  シラユキはわたしの疑問には答えなかった。 
  不思議な沈黙だった。わたしはシラユキがの考えが手に取るようにわかった。 
  彼女はその疑問の答えが想像できているのに、わたしに対して口にしなかったのだ。 
  
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:24:01.69 ID:vaaX809Zo
  
  とはいえ、 
  
 『おいおい、大丈夫か?』 
  
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:24:27.94 ID:vaaX809Zo
  
  わたしは、訊ねるべきなのだろうか。 
  いったい何を隠しているのだと、シラユキに。 
  でも、そうしたら、きっと何かが変わってしまう。そんな予感があった。 
  
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:25:02.26 ID:vaaX809Zo
  
 「じゃあ、ここで待ってますね」 
  
 「……あの、一度離れると、何かあるかもしれないし」 
  
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/22(水) 08:26:07.12 ID:vaaX809Zo
 つづく 
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/22(水) 09:58:27.85 ID:Bi6FA7Lzo
 乙 
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