11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:20:22.30 ID:1Ac64vbSo
「……よし、っと。どうです? 結構効いたでしょー?」
「おかげでかなり楽になったよ。それじゃさっさと掃除終わらせて帰るとするかー」
他の人たちはとっくに掃除を始めている。
自分たちも割り当てをさっさと終わらせて美味い飯でも食べに行くか、とやえと初瀬もいそいそと動き出した。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:20:55.01 ID:1Ac64vbSo
気付いたときには身体はもう動いていた。バランスを崩し踏み台から転がり落ちそうになっている初瀬の身体を受け止める。
――が。
どかっ! ……ばさささささー
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:21:36.25 ID:1Ac64vbSo
◇
「それじゃ、お疲れ様でしたー!」
「おつかれー。いやー、ひと仕事終えたあとのビール、最高だな!」
「ですよね!」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:22:05.38 ID:1Ac64vbSo
「先輩の前でこんなこと言うのもアレですけど、私、もう26なんですよ。四捨五入すればとっくに三十路なんですよ。
ただ、やってることなんて学生のときからそんなに変わらなくて……楽しいけど、でもこのままでいいのかなって。
昔はね、大人になったら大人の楽しみが増えると思ってたんですよ。落ち着いたり、些細なことに幸せを見いだせるようになったり。
でも実際、そんなことないんですよね。まだまだ全然幼稚なままで……本当の幸せはどこかにあるはずだって、まーだ夢見てる」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:22:40.70 ID:1Ac64vbSo
◇
家に、着いた。冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、まだ少し酔いの残る頭を冷やすようにごくごくと飲んでいく。
時計を見てみると、もう少しでてっぺんを越えるところだった。また明日も仕事だ。年が明けるまでは少し忙しい時期が続くだろう。
歯を磨きながら、初瀬の言葉を反芻する。幸せは――妥協することで生まれるものなんだろうか。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:23:07.84 ID:1Ac64vbSo
ますます色んな考えがグルグルグルグルと回り続けて、ようやく出た一言は、
「お前……いったい誰だ?」
「ちゃちゃ……あっ。……コホン。さびしんぼうじゃ」
「さびしんぼう?」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:24:30.22 ID:1Ac64vbSo
今日の更新はここまでになります
今週末まで少し用事が詰まってますので、次の更新は週明けになるかと思います
しょっぱなから間隔があいてしまって申し訳ないです
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/21(火) 19:15:10.43 ID:1/MaC8Q4o
乙。そうか、広島か
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/22(水) 17:41:50.38 ID:/tzh7ONQo
広島弁で一瞬まこかと思ってしまった
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/30(木) 03:39:07.11 ID:ffHVc6Tm0
◇
目をぱちくりとさせても、目の前の幽霊は消えやしなかった。
そもそもやえには、さびしんぼうと名乗った少女が幽霊には見えなかった。
幽霊というのは、もっとこうおどろおどろしい感じで、顔面蒼白で、足も消えてるものじゃないのか。
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