過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:20:09.92 ID:E/Gr+tAqo
淫魔「……でさ、さっきも訊いたけどよ。こんなトコに何しに来た?」
一脚だけ残っていた長椅子に隣り合わせに座り、素朴な少女と艶やかな淫魔が言葉を交える。
少女はちょこんと腰掛けているが、淫魔は足まで組み、ふんぞり返る姿勢で座っていた。
以下略
203
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:20:45.45 ID:E/Gr+tAqo
少女「……あの……」
淫魔「あー?」
ニヤニヤと笑ったまま、少女へ顔を向ける。
以下略
204
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:22:01.80 ID:E/Gr+tAqo
少女はこの丘の下にある村で暮らしており、
どこにでもあるような農家の娘だが、今、村長の一人息子に恋をしている。
活力にあふれた快活で精悍な若者で、村の娘たちの憧れの的であり、大人達からも信頼が厚い。
農村ゆえに身分の差などそうないが、恋敵が最大の障害だという。
以下略
205
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:22:42.02 ID:E/Gr+tAqo
淫魔「もう少し話してみろ、ソイツの事。趣味とか色々あんだろ?」
少女「そうですねぇ。……天気のいい日は、釣りとかしてるみたいです」
淫魔「釣り、ねぇ……イイじゃん。そっから話合わせていったらいんじゃね?」
以下略
206
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:23:41.90 ID:E/Gr+tAqo
彼女も立ち上がると、真鍮の右足をがしゃがしゃと鳴らしながら、教会の奥へ引っ込んでいく。
そこには小部屋があり、机に椅子、ささやかなベッドが置かれていた。
シーツだけは一応真新しいものに替えているが、埃っぽさは残る。
投げ出すように横になると、ベッドがみしみしと軋んで、亀裂の入る音さえも聞こえた。
以下略
207
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:24:38.41 ID:E/Gr+tAqo
更に、一週間後。
少女「や、やりました! 話せるようになりましたよ!」
早朝から、少女が押しかけてきた。
以下略
208
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:26:12.74 ID:E/Gr+tAqo
淫魔「……とりあえず、まず仲良くなって『告白』すんじゃねーの?」
少女「分かりました。『私の処女を、あなたので開通してください』って言えばいいんですね」
淫魔「違う! 普通に『好きです』でいいんだよっ!」
以下略
209
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:27:35.43 ID:E/Gr+tAqo
更に、一ヶ月。
夏の暑い盛りを越えた昼下がり、廃教会の裏手にある小さな墓地に、淫魔はいた。
苔生し、欠けた墓石はもはや銘すら読み取れない。
数にして十基足らずのそれらは、加えて伸び放題の草で覆い隠されていた。
以下略
210
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:28:28.09 ID:E/Gr+tAqo
少女「あ、淫魔さん。何やってんですか?」
淫魔「見りゃ分かるだろ?」
少女「……ポイント稼ぎ?」
以下略
211
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/04(火) 03:29:31.79 ID:E/Gr+tAqo
少女「怒らないでくださいってば。……そういえば、淫魔さんって何歳なんですか?」
淫魔「あ? ……だいたい一万七千ぐらい。数えてねーや、メンドい」
少女「ゾンビっていうかもうミイラ羊水ですね。腐る分も枯れ果ててますね」
以下略
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