過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:20:12.58 ID:QKtUJVFRo
>>66
その後は何も書いてないです、ダイレクトにこれです
そろそろテコ入れでポチ含めて、淫魔サイドにも新キャラを数人出そうかと考えてはいるのですが……
では、投下いたします
以下略
68
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:22:48.48 ID:QKtUJVFRo
*
その日、英雄達は王都へ凱旋した。
通りに立ち並ぶ家々からは国民がその姿を一目見ようと、大人子供の別なく顔を出した。
『魔王』を討伐した四人の英雄は、どんなに誇らしく胸を張っているのかと思い描き、
以下略
69
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:23:24.74 ID:QKtUJVFRo
処刑の丘を登る虜囚の姿が三人に重なり、その場にいた誰もが薄ら寒さを覚えて目を伏せた。
城門から波打つように大通りを駆け抜けた大歓声は、その始まりと同じくして凍っていく。
それほどまでに、城門をくぐった『英雄達』の姿には翳りがあった。
何より、先頭に立ち続けたあの男の姿が無い。
以下略
70
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:24:31.91 ID:QKtUJVFRo
その夜、魔王の討伐を記念して、城では豪奢な酒宴が行われた。
無意味な宴だった。
最大の『主賓』を欠いて、その仲間たちだけ。
魔物の脅威を真に知る者はなく、王侯貴族たちが豪勢な料理を前に大杯を乾し、語らう。
以下略
71
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:25:10.25 ID:QKtUJVFRo
手に握ったグラスに、意識せずとも力が籠もった。
『楽しんでいますか』『この度は、おめでとうございます』『この国の民を代表して、感謝の意を――――』
そんな言葉が出て来たら、構わずにグラスの中身を顔めがけて引っかけてやるつもりだった。
例え、彼女の『父親』であろうとも、そこは譲らない。
譲らなかったからこそ――――バルコニーに一人で、誰も寄せ付けず、たそがれる事を選んだ。
以下略
72
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:26:08.40 ID:QKtUJVFRo
もう一口、ワインを含んだ。
少しだけ、少しだけ……さっきよりも甘く感じて、どこか潮風を思い出すような芳醇な香りが、口から鼻を抜けた。
魔法使い「……現実味、無いのよ」
以下略
73
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:26:44.66 ID:QKtUJVFRo
王女「魔法使い様……」
魔法使い「あいつがいないから、ってのも……あるけどさ」
『勇者』がいなくなっても、それだけのせいではない。
以下略
74
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:27:15.58 ID:QKtUJVFRo
魔法使い「……誰も、傷つけたくなかったからよ」
王女「傷つけたく……なかった?」
魔法使い「あいつは、言ったの。……救った世界の人々に、剣を向けたくない、ってさ」
以下略
75
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:27:53.48 ID:QKtUJVFRo
メインホールの喧噪に掻き消されそうな、小さな嗚咽が聴こえた。
空気を振り払うように、再びグラスに口をつけた。
今度は妙に苦くて、香りも感じなかった。
鼻の奥で何かが突っ張っているような感覚がして、つい、顔をしかめる。
以下略
76
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/05/25(土) 02:28:23.01 ID:QKtUJVFRo
王女「……魔法使い、様」
魔法使い「何かしら?」
王女「人は……争いを止められる時が、来るのでしょうか」
以下略
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