125: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:37:51.98 ID:H4pbzEV60
忍野は言っていた。
「阿良々木くんにやってもらうのは、シンプルなことだよ」
「まあ、だからって簡単ってわけでもないんだけどね」
126: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:38:35.25 ID:H4pbzEV60
「意識がない。殺人鬼くんと鬼がせめぎ合っている状態の時、目の前に阿良々木くんが現れれば、まず間違いなく襲われるだろう」
「逆に言えば、阿良々木くんを殺さない限り、他の人は狙わない」
「鬼は、人を殺しすことを存在理由とした怪異だからね」
127: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:39:32.84 ID:H4pbzEV60
そんな風に、いつもの軽い口調で忍野は言った。
まったく、他人事にもほどがあるだろ。
「人を、殺す怪異か」
128: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:40:10.56 ID:H4pbzEV60
「零崎………さん?」
北白蛇神社に着いた僕の目の前に、それは立っていた。
神原駿河と較べると、怪異とその身体を一つにしているのにも関わらず、外見に大きな差異は見受けられなかった。
129: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:40:59.48 ID:H4pbzEV60
「……………………………」
僕がそんな事をボケっと考えている内に、どうやら、鬼は僕に気付いたようだ。
「やるしか、ないよな」
130: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:41:46.47 ID:H4pbzEV60
『我は零崎』
声が聞こえた。
『お前の内にある物であり、者だ』
131: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:43:17.33 ID:H4pbzEV60
「あ?お前、俺の身体を乗っ取らなくてもいいのかよ」
『無論だ。お前の身体を乗っ取っても先は短い。ならば新しい器に移り、今度こそ好き勝手にやるのが一ば』
「却下だ。んなもん」
132: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:44:14.50 ID:H4pbzEV60
「確かに、俺は今までお前のことなんて知らなかった。だから、ちょっと前の俺なら、お前のことなんて置いてったかもな」
「だがよ」
一度言葉を区切り、
133: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:44:57.95 ID:H4pbzEV60
『…………いいだろう。我はお前の内に戻るとしよう』
「いいのかよ。俺が言うのもなんだが、簡単すぎねえか?」
『ふん、所詮は気まぐれだ。別にお前の内にいることが不満だったわけではない』
134: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:45:45.12 ID:H4pbzEV60
「はあっ…………くそ、まだか」
結局の所。
最初の一撃で足を切られてから、どうにか態勢を立て直したものの。あの鬼に対して僕は防戦一方だった。
135: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/28(日) 22:46:24.90 ID:H4pbzEV60
けど、諦めるわけにはいかない。
これは、僕の責任だ。
自分で拾って来た厄介事は、自分で片付けないとな!
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