過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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826: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:28:58.16 ID:IdSKSuAc0

「ところで比企谷くんは…………私が由比ヶ浜さんとあなたに言った奉仕部の理念、覚えているかしら」

「え?飢えた人に魚を与えるのではなく、捕り方を教えて自立を促すって奴だろ。それがどうかしたのか?」

以下略



827: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:32:20.04 ID:IdSKSuAc0
「でも、だからこそ…………私には無理なのよ。あなたを変えることは。私は由比ヶ浜さんのように器用ではないから、

今の比企谷くんを受け入れたらたぶんあなたはそのままになってしまう。ましてや更生させることなどできない。その

二つを両立できるのは、彼女だけ」
以下略



828: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:35:07.29 ID:IdSKSuAc0
「それで、比企谷くんはその……“変わる”つもりは…………あるの?」

「……」


以下略



829: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:39:53.00 ID:IdSKSuAc0
結局彼女に押し切られてしまった。しかし、今まで諦めた経験などないような雪ノ下にそんな風に断言されるのは妙に癪

に障った。俺は口を歪ませながら彼女に向かってこんな嫌味を言う。

「『人ごとこの世界を変える』なんて大言壮語を言う割に、俺の更生は諦めるんだな。お前なんて他に諦めたことなど何
以下略



830: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:42:31.28 ID:IdSKSuAc0
……にわかには信じられなかった。雪ノ下雪乃の言った言葉が。対人関係についても姉のようになりたかった。つまり、

人とうまくやりたかった。俺は今まで勝手に、彼女にはそれをやる能力があるものだと思い込んでいた。でも、それより

も自分のポリシーを優先するためにあえてそれをしないものだと――――。
以下略



831: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:45:22.51 ID:IdSKSuAc0
俺は片手を雪ノ下に握られてどうにも気恥ずかしくて、照れ隠しにそんなことを口走る。

「それを考えると…………結局のところは生まれ変わることができなくて良かったのかもしれないわね。できなかった

からこそ、今の私はこうしてあなたと一緒にいられるのだから」
以下略



832: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:49:09.54 ID:IdSKSuAc0
「あなたは自分が変わってしまうことを恐れるというか、どこか嫌がっているようだけれど…………でも、そもそも自分

にとっての自分そのものがブラックボックスみたいなところもあるでしょう?」

「ああ、確かに俺の中には黒歴史がたんまり詰まっているが……ってやかましいわ!」
以下略



833: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:52:10.19 ID:IdSKSuAc0

なるほど。確かにそういう考え方もできなくはない。いや、むしろもっと早くに思いついていてもおかしくはなかった。

でも、今までそういう発想が何故自分になかったのかもなんとなくはわかる。それは俺がぼっちだったからだ。だから、

以下略



834: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/19(土) 23:55:16.10 ID:IdSKSuAc0
雪ノ下はそう言って顔を背けてしまった。こちらからは少し上気した頬しか見ることはできない。彼女が口にした内容

とその表情のせいでなんだか妙な気分になりかけていると、雪ノ下の方からまた声が聞こえてくる。

「それに、あなたは…………自分でそういう意図がなかったとしても……他人の引き出しをかなり開けてしまっている
以下略



835: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/20(日) 00:03:45.88 ID:tpDvOo3h0

「それは――――――――今は待っていてほしいということしか俺の口からは言えない。俺は来週の月曜日から奉仕部に

行くつもりでいるが、その日は俺が連絡するまで少し教室で待っていてもらってもいいか?」

以下略



836: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/20(日) 00:07:09.85 ID:tpDvOo3h0
「…………わかったわ、比企谷くん。顔を……上げて?」

彼女の言う通りにすると、少しあきれ顔で雪ノ下は俺の方を見つめてきた。彼女が感情を表に出さなかったことが、

かえって俺の胸を締めつける。気休めにしかならないとは思うが、俺はこんなことを口にする。
以下略



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