過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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103: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:42:28.51 ID:KwFoDQjV0

 溌剌としている、と思った。

 猪突猛進のような溌剌さとは毛色の違う、この世の物事全てが最終的にはうまくいくと信じきっているような、どこまでも澄んでいる――澄みすぎている、気持ち悪いほどに。
 だめだ、混乱している。
以下略



104: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:42:56.62 ID:KwFoDQjV0

後輩「早くいきましょうよぅ! この人、なんかおかしいですっ!」

彩人「『今日は頑張って遠出してみましょう! 思わぬ出会いが待っているかも!』」

以下略



105: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:44:07.45 ID:KwFoDQjV0

 なんだ。なんだこれ。一体全体なにがどうなっている。
 車が突っ込んで来た――それはわかる。それにしたってタイミングがよすぎやしないか。絶妙に彩人を避けて、あたしだけを轢殺するこの角度。
 邪気眼と同じようなサイコキネシスか? けれどそれなら、ブレーキ音がするのは聊か理解に苦しむ。事実邪気眼が車をぶん投げたときはブレーキ音なんてしていなかったはずだ。

以下略



106: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:44:36.83 ID:KwFoDQjV0

彩人「二位の私に勝てるかな!?」

 きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
 同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
以下略



107: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:46:11.82 ID:KwFoDQjV0

彩人「二位の私に勝てるかな!?」

 きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
 同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
以下略



108: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:47:15.51 ID:KwFoDQjV0

彩人「二位の私に勝てるかな!?」

 きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
 同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
以下略



109: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:47:44.87 ID:KwFoDQjV0

 あたしは射撃体勢もそこそこに、照準すらたいして合わせず、あっさりと引き金を引いた。
 振動と衝撃が手首から肩、肩から全身へ拡散する。大きく跳ね上がるあたしの右腕。炸裂音が鼓膜を震わせ、使い物にならなくなった。

 銃弾は逸れていった。彩人は流石に銃を見て分が悪いと判断したのか、迷いなく後ろへ逃げ出す。
以下略



110: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:49:27.12 ID:KwFoDQjV0

 靴紐を結ぶのさえほどほどにして、でも人ごみをかき分けて出ていく気もさらさらなくて、あたしはとにかく逃げ道を探す。こんなところで終わっていられない。あたしの理想の世界のために。
 ステップを踏もうとした左足が地面から離れない。また靴紐を踏んだのだと気付いたときには、あたしはまたつんのめって、地面に倒れこんでいた。
 がしゃん、と猟銃が音を立てて地面に転がる。あたしは慌ててそれを拾い上げた。暴発でもされたらたまらない。

以下略



111: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:50:05.28 ID:KwFoDQjV0

 そう、あたしは入れる。入れた。事実として。
 これは何を意味しているのか……簡単だ。都市伝説が本当なのであれば、家主があたしを招き入れたからに他ならない。理由は、それこそ考えるまでもないだろう。

腕章「簡単に殺されたりはしないけどね」
以下略



112: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:50:31.78 ID:KwFoDQjV0

 正門は論外。いや、もしかしたら案外出られるのかもしれないけど、敵がいるであろう屋敷に背を向けることが恐ろしすぎる。最後の手段にしかならない。
 壁は壊せないことが分かったし、ならば裏口でも探すか?

 壁に背を向け、どこからでも襲撃が来てもいいように心構えをしつつ、あたしはじりじりと裏口や勝手口、壊れた穴がないか探す。結果は何もなかった。ひたすらに漆喰塗の塀が続いているだけだった。
以下略



113: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:52:09.67 ID:KwFoDQjV0

 明らかに見え見えの罠だった。自ら死地に飛び込む馬鹿がどこにいるか。
 そして、塀は直って門扉も消えたというのに、あたし自身に何ら異変が起こらず、攻撃も受けていないという事実を見過ごせない。きっと敵にもあたしのように能力の範囲があって、それは敷地全体をカバーはしているけれど、あたしを襲えるほどじゃあないのだ。
 あたしを何とかできるならとっくにしているはずだから。

以下略



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