24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:53:50.72 ID:H5xsxe7ro
  
  電車がアルバイト先の最寄り駅に着く。 
  そこから徒歩で移動する。 
  昨日の脇道を逆方向に歩いていた。 
  
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:54:30.74 ID:H5xsxe7ro
  
  昨日と同じ夜八時。 
  僕は徘徊者よろしくあのホテルの前を行ったり来たりしていた。 
  
  例のごとく暗闇があちこちにはびこる狭い道路。 
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:55:02.85 ID:H5xsxe7ro
  
 「何やってるの?」 
  彼女はさほど興味もなさそうに訊いてきた。 
  僕は慌てて弁解しようとして、しどろもどろに無意味な言葉を重ねた。 
  
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/25(日) 19:55:37.16 ID:H5xsxe7ro
 今日はここまで 
 続きます 
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/25(日) 20:57:23.58 ID:1H0/H0nJo
 乙 
 雰囲気が好みです期待 
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/26(月) 12:25:51.41 ID:EdSuKYMNo
 乙 
 うん、とてもいい 
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:49:42.04 ID:A4xiBcVFo
  
  少女の後に従って部屋の入口をくぐった。 
  後ろでかちゃりとドアが閉まる。 
  それだけでなんとなく背徳感がふわりと舞い上がる気がしてくる。 
  
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:50:10.76 ID:A4xiBcVFo
  
  少女は「そう」とだけ言って、膝にビニール袋を乗せた。 
  先ほどから彼女が手に提げていたものだ。 
  
  僕は恐る恐る彼女の横顔をうかがった。 
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:50:44.93 ID:A4xiBcVFo
  
  なんだか残念な気がした。悔しさにも似た思いが胸をよぎった。 
  もっと彼女の優しい表情を見ていたかった。 
  
 「プリン、好きなの?」 
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:51:32.55 ID:A4xiBcVFo
  
 「なんでわたしに会いに来たの?」 
  彼女は唐突に話を戻した。 
  僕は頬が熱くなるのを感じた。 
 「それは……」 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:52:34.63 ID:A4xiBcVFo
  
 「それはありがとう」 
  感謝の気持ちの欠片もない顔で彼女は答えた。 
  僕の顔の赤みだけが濃さを増した。と思う。 
  今なら羞恥心だけで死ねる気がする。 
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