過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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10:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:34:31.45 ID:DVgSD76f0
 返事も待たずにドアを開け放ち、唖然とした表情の彼と社長の前に立つ。
「面白い話をしてるじゃないですか、プロデューサーさん。ボクも混ぜていただけますか?」
「幸子、お前、何を」
 ボクは不敵な笑みを浮かべ、胸を張り、なけなしの虚勢を振りかざす。
「ボクにプロデューサーさんが必要? 面白いことを言いますねえ。いいですか、よく聞いて下さい。世界で一番カワイイボクに! 世界で一番キレイなボクに! 必要なものなんて、何もありはしませんよ!」
以下略



11:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:35:14.80 ID:DVgSD76f0
 その後、人事異動が撤回される、なんてことは当然なくて。
 ボクはボクの、そして彼は彼の、互いの道を行くことになる。
 事務所は同じだから、また新たな縁を持つこともあるはずだ。
 その頃、ボクは、名実共に世界で一番カワイイアイドルになっている予定だ。

以下略



12:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:40:19.19 ID:DVgSD76f0
以上です。
お読みくださり、ありがとうございました


13:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 21:49:23.32 ID:pX4j5lzIo
乙乙
なんかしんみりきちゃうな
で、森久保編はいつですか


14:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:57:05.95 ID:DVgSD76f0
以下、森久保編です
これでおしまいとなります


15:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:58:01.92 ID:DVgSD76f0
 電車を降りて徒歩五分。
 下り坂の向こう、ぐねぐね曲がりくねった道を行く。
 切れかけの街頭はちかちか光り、河の下水はごぼごぼ歌う。
 大通りから一本逸れた、悲しいほどに静かな路地の、その隣。
 事務所から一駅離れたこの場所に、夏休みの間だけ、お母さんが借りてくれた家がある。
以下略



16:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:58:47.83 ID:DVgSD76f0
 マンションに戻ると、103号室の前、セミの代わりに男の人が立っていた。
「ひっ」
 男の人が振り返る。
「森久保さんですか?」
「そうですけど……」
以下略



17:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:59:17.85 ID:DVgSD76f0
『お元気ですか、乃々』
 という書き出しの、達筆な文字。
『貴方がアイドルになったと聞いて、嬉しく、誇らしく思います』
「……ただの、偶然ですけど……」
『昔から頑張り屋な貴方ですし、根を詰めすぎていることでしょう』
以下略



18:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 22:00:17.09 ID:DVgSD76f0
 寝坊して、遅刻した。
 涙で腫らしたひどい顔のまま、電車に飛び乗って事務所に行った。
 プロデューサーさんは何も言わなかった。かえってそれが怖かった。
「すみません……」
 こちらからそう言ったきり、目も合わせずに駆け出した。
以下略



19:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 22:00:51.76 ID:DVgSD76f0
「面白そうな話をしてますね。ボクに続きを聞かせてもらえますか?」
 一瞬の静寂が訪れる。
 戸惑うような空気がトイレに満ちていく。
「いえ、何でも……すみません、失礼します。ほら、行くよ」
 数人の足音が遠ざかっていく。
以下略



20:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 22:01:30.16 ID:DVgSD76f0
 翌日、事務所に向かう電車で急にお腹が痛くなった。
 座席で体を丸めるみたいにしていたら、降りる駅を通り過ぎていて、気がつくと痛みは引いていた。
 もうどうしたって間に合わないと気づいた時、ほっとしてしまったことに自己嫌悪。
 引き返す気にもなれなくて、適当な駅で降りてみる。
 駅前はとても賑わっていて、若い人たちの姿が目立つ。
以下略



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