過去ログ - 【モバマス】「橘ありすの電脳世界大戦」
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13:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:42:55.23 ID:xpTdZLia0
「橘さん、クリスマスパーティー、どうする?」

 帰り支度をしている時、さほど親しくもない子に話しかけられました。

「私、その日は用事がありますから」
以下略



14:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:43:32.31 ID:xpTdZLia0
 夜になると、私はいくつかの掲示板を巡り、面白そうな話題を探します。

 ある時は、下らない悩みでうじうじしている人たちに下らないと言ってやりました。

 ある時は、壮大な夢を語る人に現実を教えてあげました。
以下略



15:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:44:02.35 ID:xpTdZLia0
 その日の放課後、私は何日かぶりにウサギ小屋に足を向けます。

 曲がり角を曲がろうとした時、話し声が聞こえてきて、反射的に足を止めます。

 こっそりと覗き込めば、ウサギ小屋の前には、先生を従えた何人かの生徒がいます。
以下略



16:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:44:30.68 ID:xpTdZLia0
 気がつくと、私はまた駅前広場に来ていました。

 相変わらず、櫻井桃華は、ほとんどいない観客に向かって歌を披露しています。

 私は呼吸を落ち着けます。
以下略



17:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:45:12.81 ID:xpTdZLia0
 そうして私は、櫻井桃華のイベントの、一番の常連客になります。

 だけど、チケットは一枚も買ってあげません。

 仮にチケットの話を持ち出されても断固として拒絶です。
以下略



18:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:45:42.89 ID:xpTdZLia0
 いよいよ私の意地も極まって、休日には、夕食後も駅前に繰り出しました。

 その時間帯になると、寒さも一段と厳しさを増して、コートを羽織っていても震えます。

 その日は、あまりの寒さに、観客は早いうちから私ひとりになりました。
以下略



19:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:46:36.68 ID:xpTdZLia0
 その日も、私は櫻井桃華の歌を聞いて、家路につきました。

 不本意なことに、今の私は、櫻井桃華の持ち歌を完璧に記憶しています。

 あれだけ、毎日同じ歌を聞いていれば、無理もないことです。
以下略



20:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:47:19.75 ID:xpTdZLia0
 名前:三匹のウサギ
 あなた方に、櫻井桃華の何が分かるんですか。


21:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:48:00.59 ID:xpTdZLia0
「……ふざけたこと、言ってんじゃないです」

 私は唇を噛み締めます。

 名前:三匹のウサギ
以下略



22:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:49:14.95 ID:xpTdZLia0
 翌日の私は、授業を、ほとんど上の空で聞き過ごしていました。

 取り返しのつかないことをしてしまった、という後悔だけがあります。

 放課後になり、私は、教室に居残っていた人たちに、恥を忍んで声を掛けます。
以下略



23:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:50:44.36 ID:xpTdZLia0
 ……クリスマスソングが、途絶えます。

 お別れの時です。

 私は、櫻井桃華と関わるに値しない人間でした。
以下略



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