過去ログ - 真「ボクは雪歩の何になれるのか」
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2013/10/16(水) 21:33:04.88 ID:2tUqkwsno
ボクはレッスンは休まず受けるし、バックダンサーもエキストラも小さくたって立派な仕事だから全力を尽くす。
だけど、何となく先の見えないアイドルとしての活動に、
早くも不安というか焦りというか、怯え始めていた。
プロデューサーにちゃんと訊いてみよう。返答によっては、
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2013/10/16(水) 21:34:39.09 ID:2tUqkwsno
プロデューサーは机の上に広げられた企画書の一つ一つを指差して、丁寧に説明をしてくれた。
無口で無愛想で大雑把っていうのが、ボクの中のプロデューサーのイメージだったから、ちょっと意外だった。
ボク一人でデビューするんじゃなくて、二人組としてデビューするらしい。
プロデューサーにボクと組む予定のもう一人の娘のことを聞いた。
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2013/10/16(水) 21:35:35.16 ID:2tUqkwsno
彼女がやってくるまでの二日間は色々想像を巡らしていた。
ボクも両親とは揉めたけど、黙って面接を受けるような無鉄砲なことはしなかったし、
取り消されても改めて再面接を受ける根性は正直敵わない気がした。
当日、プロデューサーに連れられてきたその娘は、ボクの考えていたような娘じゃなくて、
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2013/10/16(水) 21:39:02.40 ID:2tUqkwsno
「こちら萩原雪歩さん。君とコンビ……って言うと芸人みたいだな。
この間話した、ユニットを組んで一緒に活動する予定の子。萩原さん、うちの事務所の菊地真」
「は、は、は、はいぃ……よ、よ、よろしくお願いしますぅ」
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2013/10/16(水) 21:41:52.71 ID:2tUqkwsno
それから簡単に自己紹介を済ませ、彼女はプロデューサーから色々と説明を受けた後、
ボクのレッスンの見学を見学していった。
彼女が帰ってから、ボクはプロデューサーに文句を言った。主に彼女の態度とかについて。
男に間違えられるのは今まで珍しくは無かったけど、彼女には殊更腹が立った。なんとなく。
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2013/10/16(水) 21:42:33.15 ID:2tUqkwsno
次のレッスンから、萩原さんは練習に参加し始めた。
基礎の練習は教わりつつ、ボクと一緒に。曲に合わせて踊ったり、歌ったりはまだしない。
ダンスは未経験、歌はカラオケ程度、ということだったらしいけど、何より基礎体力の無さが問題だった。
トレーナーさんの呆れ顔が印象的だった。
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2013/10/16(水) 21:44:30.67 ID:2tUqkwsno
萩原さんがレッスンに参加し始めて、三週間経った。
いつものレッスンをこなした後、二人で事務所のソファーでくつろいでいた。
「菊地さん、っていつもあれくらいできるの?」
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2013/10/16(水) 21:45:10.50 ID:2tUqkwsno
「……お茶でも飲む?ボク、淹れるよ」
どんよりとした萩原さんの周りの空気に居心地が悪かった。
彼女は顔を上げた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/16(水) 21:45:39.07 ID:2tUqkwsno
「茶葉はこれ……急須どこに置いたかな」
「あ、これだね。ポットのお湯、空になってるから沸かさないと」
萩原さんは手慣れた様子でやかんに水を注ぎ、火にかけた。
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2013/10/16(水) 21:46:43.54 ID:2tUqkwsno
急須にお湯を注いでからすぐに湯呑に注がないこと。茶葉が開くまで待つ。
濃さが偏るので少しずつ注ぎまわすこと。一つ一つ、注意と説明を交えながら。
ボクのいつものお茶の注ぎ方を見たら、卒倒するんじゃないかってくらい丁寧だった。
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