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2013/11/11(月) 00:07:36.61 ID:3fMmVyzW0
少しでも揺れれば、おっさんのたぶんカサカサの唇が、佐藤の首筋にくっつく勢いだった。
案の定、電車が揺れて―――私は思わずゲロりそうになった――男の唇が佐藤の首筋に当たったのを見た。
たぶん、こうやって注意していたから発見できた。佐藤の周りのやつは各々好き勝手にして、気づいちゃいない。
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2013/11/11(月) 00:16:19.66 ID:3fMmVyzW0
「ふーふー」
「はあ!?」
なんてことだ。あの後ろのおっさんはあろうことかイチモツをがっつり生で、制服に擦りつけているらしい。
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2013/11/11(月) 00:24:26.86 ID:3fMmVyzW0
それに次の駅でさらに人が入ってきたら、佐藤を完全に見失ってしまう。
私は子豚のおっさんにお願いする。
(お願い、次の駅で助けたいから、停車の衝撃で転がったように見せかけてくんない?)
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2013/11/11(月) 00:34:08.34 ID:3fMmVyzW0
私は佐藤の顔は見ずに、袖を引っ張ったまま、とにかく構内のトイレに猛ダッシュした。
鏡には化粧直しやら、歯磨きをしている女性が並んでいて、しょうがなく個室へと二人で入る。
互いに息を切らせて、壁にもたれ掛かった。
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2013/11/11(月) 00:42:29.73 ID:3fMmVyzW0
と、佐藤が私のスカートを掴んでいた。
「まっ……」
声は出ていなかったが、待ってと言いたいのだろう。
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2013/11/11(月) 00:47:31.45 ID:3fMmVyzW0
私はなんとかエレベーターを利用して、地上まで出てきたが、人目に付きすぎるわ腕が痺れてきたわで早すぎる限界を感じていた。
「あー、どうしよ……っ」
ビル群を見渡す。
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2013/11/11(月) 00:55:22.05 ID:3fMmVyzW0
「お客様の部屋番号は210号室になります。ごゆっくりお過ごしください」
私たちを訝しげに見つめながら、ただし笑顔は崩さずホテルマンはそう言ってカードキーを手渡してくれた。
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2013/11/11(月) 01:04:48.10 ID:3fMmVyzW0
目を瞑ろうとして、ふと佐藤のスカートについていた白いシミが視界に映った。
せめて、この気色悪いスカートだけでも脱がせてやろう。
私はのっそりと体を起こす。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 01:12:36.83 ID:3fMmVyzW0
しかし、チカンなんて初めて見た。
そして、されている奴も初めて見た。
言っちゃ悪いが、男が痴漢をするのは生理現象だと思っている。
だから、しっかりされる側が叱ってやればいい。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 01:21:46.54 ID:3fMmVyzW0
私は息を大きく吸って、吐いた。
よし、ちょっと回復した。
「さて、あんたも痴漢くらいでうじうじしない。痴漢されるくらいいい女だったってことにむしろ誇っていいから。私なんて生まれてこの方そんな目にあったことないし」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 01:32:25.38 ID:3fMmVyzW0
順々に私の質問やらに律儀に返答して、佐藤は最後にこう付け加えた。
「次会うときは泣かないから……苦手にならないで……っ」
「いや、泣いたっていいっつーか……」
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